次の日、俺たちは運動着に着替えて体育館に集合した。

そこには監督と思われる男性教員と女子マネージャー。

そして2年生の先輩が既に集まっていた。


「意外と人数少ないんですね」

「去年できた新設校らしいからな」


黒子と俺は一番後ろで周りの様子を見渡す。

ふと目に入るのは頭1分でている赤い髪の生徒。

こっちにいるって事は1年生か。にしてもでかいなぁ。


「彼の身長10cmぐらいくれませんかね」

「鉈で切ってつければいいんじゃね?」

「よーし全員そろったなー!」


身長について黒子と話が盛り上がってきた時に号令がかかる。

驚いた事にマネージャーだと思っていた女子生徒は監督らしい。

監督だと思ってた男性教師は顧問で何もしないそうだ。

驚きの連続の中、相田先輩・・・カントクは女子とは思えない発言をした。


「じゃあまずは・・・シャツを脱げ!」

「ええええ〜!!!」


上半身を脱がされ女子生徒の前に立つという傍から見ると変質者と間違えられてもおかしくはない格好。

俺だけでなく周りの1年生も驚愕を隠しきれない。

カントクは1人1人体をじっと見て口を開く。


「キミちょっと瞬発力弱いね。反復横とび50回/20secぐらいでしょ?バスケやるならもうちょい欲しいな」


次々と自分たちの能力を言い当てる彼女に口が開きっぱなし。


「彼女の父親はスポーツトレーナーなんだよ」


と日向さんは言う。

スポーツトレーナー・・・という事は父親の背中を見て学んだ力って事か。

カントクは赤い髪の生徒、火神大我の体を見るな否や動きが止まる。それどころか目が光って涎を垂らしていた。

マネージメント業ではピカ一の腕でも女子としてはどうなんだろうか、と俺は苦笑いを浮かべる。


「カントク!いつまでボーッとしてんだよ!」

「ごめんっでえっと・・・」

「全員視たっしょ。火神でラスト」

「あ、そう・・・れ」

「あ!そうだ帝光中の・・・」


俺たちの事を忘れて練習に入るのかと思いきや先輩が思い出す。

しかし大声で言うものだから周りがざわめき始めた。


「また忘れられてるぞ、黒子」

「忘れられているのは仕方がありません。行きましょうか、真白くん」


黒子に手をひかれてカントクの前まで向かう。






 




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