「OFは2年生主体で行こう!あと久遠くんはどっちも・・・いける?」
「やってみます」
「まだ第2Qだけど離される訳にはいかないわ。早いけど『勝負所』よ日向くん!」
火神は黄瀬に止められるからとOF禁止。DFに専念しろとカントクに告げられる。
が、火神はそれに反発する。
「大丈夫だって。ちっとは信じろ!」
「でも・・・!」
「大丈夫だっつってんだろダアホ!たまにはちゃんと先輩の言うこと聞けや殺すぞ!」
日向先輩は笑顔で物騒な事をいい始める。
これがカントクが前言ってたクラッチタイムってヤツか。
火神は一粒冷や汗をかいて日向先輩の方を見る。
「行くぞ!」
「っス」
水戸部先輩に背中を押されてコートへ入る。
久々のこの感じ。
いつ以来だろうか。
多分、アイツらが引退する前のミニゲームに混ざったっきりだから半年前ぐらいになるのだろう。
バッシュをキュッキュっと鳴らし足の様子を確認する。
「ったく今時の1年はどいつもこいつも・・・もっと敬え!センパイを!そしてひれふせ!」
「スイッチ入って本音漏れてるよ主将!」
クラッチタイムの入ってる日向先輩はシュートをそこそこ落とさないらしい。
それを聞いて火神は頷き、黄瀬のマークへと移る。
さあ俺も行こうか。
俺は海常の選手にスクリーンをかける。
伊月先輩は笠松さんともう1人の選手の間を縫ってパスを出し、日向先輩へと渡す。
そしてそのもらったボールをシュートし、ゴールネットを揺らす。
「あいにくウチは1人残らず諦めが悪いのよ・・・」
優しい時は並みの人。スイッチ入るとすごい、けど怖い。
二重人格クラッチシューターの日向先輩。
「ざまぁ」
沈着冷静慌てないクールな司令塔。しかしダジャレ好きな伊月先輩。
「サロンパスで・・・ナイスパス。やべぇきたコレ」
仕事きっちりこなす縁の下の力持ち。でも誰も声を聞いたことのない水戸部先輩。
「・・・・」
ベンチには小金井先輩と土田先輩だっている。
伊達に先輩たちだけで去年IH予選まで勝ち進んでいない。
その証拠に点差はあまり広がってはいない。
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