部活が大変な事になってる事を知らずに俺は兄貴と一緒にある高校の近くにいた。

今回の任務はPSI能力所持の確認。


「七貴俊輔ねぇ」

「念力・念動作用(キング)による破壊行動が顕著に見られる」

「ふーん。じゃあ俺と同類か」

「・・・対象が動いた。行くぞ」

「あいよ」


信号が音をたてて落ちる。

正しく念力・念動作用(キング)のせいだ。

俺たちは対象(ターゲット)の後ろにつき、兄貴が口を開く。


「いい加減気づいたらどうだ。原因はお前にあるという事を」

「原因ってなんだよ?つーかお前ら誰?」


対象(ターゲット)・・・七貴は疑いの目で俺たちを見る。

まあその気持ちは分からないでもない。

兄貴はつらつらと七貴に話す。

けど様子を見る限り納得どころか内容さえも分かっていないようだった。


「お前ら・・・どこの学校のヤツらだ?俺より年下だよな?高1・・・いや中3ぐれーって所か?」

「貴様」


兄貴は怒りを顕にする。

中身は20歳過ぎてても見た目が。しょうがないといえばしょうがない。

でも数年したら俺もそうなる運命だと思うと悲しい気持ちになる。


「げっもうパトカー来ちまった」


パトカーがサイレンを鳴らしてやってくる。

が、やってきた理由は信号機の事ではないらしい。

立籠り・・・ねぇ。


「真白、行くぞ」

「分かったよ」

「お、おい!ちょっと待て!どこ行くんだよおめーら!」


警察の近くまで俺と兄貴は向かう。

立籠りの犯人は指名手配中の酒口充。

駅近くの飲食店に人質を取って立籠り、人質の人数は不明で銃を所持しているとの事。

警察はヤジウマの対処で機能していない。


「現場が混乱しているな。機動隊は呼んでないのか?」

「みたいだね。むしろ警察さえもあまり理解せずに来てるように見える」

「店ん中ってどの辺にいやがるんだ・・・?」


七貴は手を額にかざし店の中を探す。

すると、何かを見つけたかのように目を見開き七貴の体が消える。


「アイツ!?」

「遠隔移動(テレポーテーション)だとっ」


念力・念動作用(キング)の他にも使えるのか。

しかしアイツの報告を聞く限りだと頭に血が登ると何しでかすかわからない。


「兄貴、俺も中に入ってくる」

「分かった。俺も後から追いかける。くれぐれも無茶をするなよ」

「了解」









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