黄瀬は黒子と火神がいつか決別すると言った。

確かにコイツもキセキの世代と同じオンリーワンの才能を秘めている。

コイツがまだアイツらのようにグレてないのは才能が開花していないから。

それが花開く時、アイツらのように決別するのかまた別の道へ進むのか可能性は無限大にある。

俺はちらっと話の渦中にある火神の顔を見る。


「なに見てんだよ」

「別に。ただお前の話題だからどんな顔してんのか興味あっただけ」

「ハッどーでも。それより早いところ黒子連れて帰らねーと俺たちも帰れねーぞ」


火神の表情は見えなかった。

今どんな気持ちで黒子の方へ向かっているのかは分からない。

ただ、きっとコイツならと思ってしまうぐらいには俺は感化されてしまっているのだろう。



「さーってと帰んぞ黒子」

「はい」


少し訳ありで黄瀬と久々に一緒にプレーができた。

この状況は喜ぶべきか否か。

それはともかく早く帰らないとカントクに逆エビの刑を食らわされてしまう。


「火神くん。1つだけ聞かせてください。あの話聞いてましたか?」

「決別するとかしないとかか?てゆーかそれ以前に俺別にお前と気ィ合ってねーし」

「1人じゃ無理だって言ったのはおめーだろ。だったらいらねー心配すんな。・・・それにいつも光と共にあるそれが黒子のバスケだろ?」

「火神くんも結構・・・・言いますね」

「うるせーよ!」


大丈夫。この2人なら間違いは起きない。

そう確信したのもつかの間。完全にキレているカントクが現れて黒子は逆エビを食らっていた。

さて帰るぞーと日向先輩の抑揚のない声で黒子とカントクを除くメンバーは何も見てなかったように帰っていった。



駅についてさあ帰るための電車に乗るかと時刻表をみていた時だった。

聞き覚えのあるトーンの高い声に俺は振り向く。








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