「黒子ー」

「アイツケータイ持ってないのかよ」

「てかすぐフラフラどっか消えるって子犬か。久遠もだけどよぉ」

「先輩痛い、痛い。しゃれにならないぐらい痛いです」


黒子を探しにフラフラと歩き始める俺たち。

神奈川なんて土地勘があるわけがないからむやみやたらに散らばるのはよくないとカントクの意見により纏まって探していた。

試合疲れもあってか日向先輩のイライラはピークに達していて俺に八つ当たりを始める。

しばらく歩いているとストバス場があって、高校生や中学生がバスケを楽しんでいた。

ぼーっと見ながら歩いていたら、俺の腕が引っ張られた。


「なあ、おい久遠」

「なんだよ火神。力加減しろよ。転けるだろ、俺が」

「そーじゃねーって!見ろよ、あれ」

「ん?あ・・・」


火神が指差す場所を見るとそこには見覚えのある水色と黄色が立って話をしている様子があった。

黄瀬立ち直ったのか。


「えっちょ、おい!」

「久遠、お前も来い!」


火神は俺の腕を掴んだままズンズンと2人の方へと向かっていった。



「けど1つ言えるのは・・・」


フェンス1枚のみになった俺たちと黒子たちの差。

だけど黒子と黄瀬の顔がいつにもなく真剣だったがために俺は火神の腕を逆に引っ張った。


「った!お前なぁ!!」

「静かにしろ。今行ったらきっと2人に殴られるぞ」

「〜!!へいへい!」




 




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