火神でも歯が立たない黄瀬の弱点。
それがパス回し以外コートで最弱の黒子。
火神がそう言うとコート内だけでなく、外の人間さえも呆気に囚われた。
黄瀬は淡々と黒子のプレーだけはコピーできないと宣言し、それで何が変わるんだと強気な姿勢をとる。
「第1Q終了!休憩2分です!」
主審の声で今までピリピリしてた空気が少しだけ消えた。
「変わるさ!次の第2Qでホエヅラかかせてやる!」
そう火神は宣言し、ベンチへと戻っていった。
戻っていくとすぐに火神はカントクたちに話し始める。
・・・なるほどな。流石は黒子が光に選んだ男と言った所か。
「・・・なるほど・・・うん。いけるかもソレ。火神くんもやっと頭冷えたみたいね!」
「いや俺は最初から・・・」
「超ムキになってたよ!」
伊月先輩と日向先輩の素早いツッコミが火神に襲いかかる。
ただし、今言った事は黒子との連携が大事になる。
それができるかがこの試合の勝敗を決める大きな鍵となるだろう。
カントクもその事を火神に確認するが、火神はあやふやに答えた。
ドスッ!
すると、黒子は無表情なまま火神の横腹に手刀をかます。
「テメ何いきなり・・・」
「黄瀬くんを倒すんでしょう?」
「ったりめーだ!!」
と火神も黒子に手刀を倍返しでやり返す。
コイツらはいいコンビになる。
もしかしたら青峰の時以上に。
俺は2人を微笑ましく見守る。
「楽しそうね、久遠くん」
「この勝負はまだ分かりませんから」
「当たり前よっ。勝たせてもらうに決まってるじゃないの!」
ピー!
第2Qが始まる笛の音が吹かれる。
「んじゃま・・・」
「逆襲よろしく!」
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