「このままマーク続かさせてくれ・・・ださい。もうちょいでなんか掴めそうなんス」
「あっちょ待っ・・・火神くん！もうっ！」
ＤＦマンツーからゾーンに変更！中固めて黄瀬くん来たらヘルプ早めに！黄瀬阻止最優先！とコートへ向かう先輩たちにカントクは指示を送る。
「黒子はもうちょいペースダウンしろ。点差引き離されない程度にな」
「やってみます。もしできなかったら・・・」
「そんな言葉は聞きたくはない。が、できなかったら俺がやる」
黒子とハイタッチを交わして、見送る。
ボックスワンの形態で中を固め、火神をフォローする体制に入る。
が、ＴＯすぐにその均衡は崩れ笠松さんが３Ｐを決めた。
伊達に強豪校の主将はしてないか。
カントク曰く笠松さんは全国区のＰＧらしい。
「海常レギュラーを舐めてるのか？ヌリィにも程があるぜ」
「・・・」
「・・・ふぅ・・・ったく」
「しんどいね。つくづく」
黒子にも慣れてきた海常の攻撃は止まらない。
ジワジワと点差は開く。
「っくぅ・・・」
「アウト・オブ・バウンズ！！白ボール！」
火神のダンクも黄瀬は易々と止める。
十分火神も高いが黄瀬のジャンプはそれを上回っていた。
「今のキミじゃキセキ世代に挑むとか１０年早えっスわ」
「・・・なんだと！？」
この試合、点差は開くことはあっても縮まる事はないと黄瀬は言い切る。
チームとしてのフォーメーションや戦術以前にバスケというのは体格のスポーツ。
俺たち誠凛と笠松さん率いる海常では５人の基本性能が違いすぎ、唯一それで対抗できる火神は黄瀬が実力を分かったと言う。
火神がどんな技をやろうとも黄瀬は見ればすぐ倍返しにできると。
「どうあがいてもオレには勝てねぇっスよ。ま・・・現実は甘くないって事っスよ」
「くっ・・・クックックック・・・ハッハ・・・ハハハ！」
火神は悔しそうに唇を噛み締めたと思いきや大笑い。
黄瀬だけではなくカントクや先輩たち、黒子。
そして海常の人たちさえも呆気にとらわれ火神を見る。
「ワリーワリーちょっと嬉しくてさぁ・・・そーゆーこと言ってくれる奴久しぶりだったからさ」
「・・・！？」
黄瀬は何のことを言ってるか分からない、と言った顔で火神を見る。
「やっぱ人生挑戦してナンボじゃん。強い奴がいねーと生きがいになんねーだろが」
まだまだこれからだろ、と火神は言う。
そしてそれによって黄瀬の弱点も分かったと何かをキョロキョロ探す。
お目当ての人物、黒子の首根っこを火神は掴む。
「見えればできる？見えなかったら？そもそも元がウスいのが前提じゃやれって方が無理な話だろ？」
身体能力が優れてる黄瀬ができないバスケスタイルが１つだけある。
それは、つまり黄瀬の弱点。
「・・・つまり黒子だろ！黄瀬の弱点！」
火神は嬉しそうな顔で黒子の頭を押さえつけた。
（久遠くんなんで黒子くんの事教えてくれなかったの）
（こういうのは本人の口から言わせるべきだと思って）
（はぁ・・・アンタたちはどうしてこうも生意気なのかしらね）
パーフェクトコピーの穴は影
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