断る、と黄瀬の腹に一発拳を入れようかと思った時に横からものすごいスピードでボールが投げられてくる。
そのボールを黄瀬は片手で受け止め、投げられた方向に振り向く。
「せっかくの再会中ワリーな。けどせっかく来てアイサツだけもねーだろ。ちょっと相手してくれよ、イケメンくん」
「火神!?」
「火神くん!!」
「急に言われても・・・よしやろっか!いいもん見せてくれたお礼」
そう言って黄瀬はブレザーとネクタイをほどく。
その瞬間女子の黄色い悲鳴が上がったのは言わずもがな。
「死んでしまえばいいのにな、黄瀬」
「ええ。まったくです。真白くんは渡しません。誠凛のものですから」
「・・・そうだな。あとこれはマズいことになった」
「見てしまいましたからね。アレを」
いきなり始まった火神と黄瀬の1on1。
黄瀬の攻撃から始まった。
「・・・なっ!?」
ゴール近くで黄瀬がしたのは先ほど火神がやっていたフルスピードからの切り返し。
流石の火神も驚いたがすぐに反応しダンクを阻止しようとした。
が、パワーは黄瀬の方が強くそのまま押し込められる。
そう。黄瀬のバスケは見たプレーを一瞬で自分のものにするコピーバスケ。
ただし1つだけマネができないものもあるが、それ以外はなんだってできる。
「これがキセキの世代・・・黒子、久遠お前らの友達スゴすぎねぇ!?」
「・・・あんな人知りません」
「へ?」
「黒子に同感」
ちょっと火神と黒子ならいけるかと思っていた俺が甘かった。
コイツらの才能は予想を遥かに上回るスピードで変化している。
「んーこれはちょっとなぁ。こんなんじゃ拍子抜けじゃやっぱ挨拶だけで帰れないっスわ。やっぱ黒子っちと真白っちください。海常おいでよ。また一緒にやろう」
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