カントクがスキップして帰ってきた。
練習試合を申し込みに行ってくると言って帰ってきた矢先の一言。
『キセキの世代が居るところと練習試合を組んだ』
キセキ・・・ここから近い学校は緑間のとこか青峰のところ。ちょっと足を伸ばして黄瀬か。
どちらにしても波乱が起こらないわけがない。
「真白くん。誰のところか検討つきますか?」
「いや・・・というか3人ぐらいしかここから行けるところしかないだろ」
「確かにそうですね」
かつての友人を頭に思い浮かべながら集合の合図で俺たちは集合した。
「海常高校と練習試合!?」
「そっ」
カントクは全国クラスの強豪校、海常との練習試合を申し込んできたと言う。
海常・・・となると黄瀬か。
ヤツがくると女子が騒ぐから嫌いだ。そこだけは嫌い。
火神はキセキの世代と聞いて人を殺しそうな悪どい笑みを浮かべる。
テンションが勝手に上がるのはいいが、足元をすくわれなければいいが。
「何!?なんでこんなギャラリーできてんの!?」
体育館の周辺が騒がしい。
ふと周りを見ると女子の大群。
来たか、アイツが。
「あーもー・・・こんなつもりじゃなかったんだけど・・」
「お久しぶりです」
「久しぶりだな、黄瀬」
「黄瀬涼太!?」
久しぶりに再開した黄瀬は相変わらず女子に人気で。
モデルなんて副業してればそうなるだろうが。
要求通り5分待つと黄瀬はステージの上から降りて俺たちに近づく。
「なっなんでここに!?」
「いやー次の相手誠凛って聞いて黒子っちと真白っち入ったの思い出しなんで挨拶に来たんスよ。中学の時一番仲良かったしね」
「フツーでしたけど」
「ただのクラスメイトだろ」
「ヒドッ!!」
黄瀬は俺の背後に来て俺を抱きしめる。
香水か何か分からないが柑橘系の匂いが俺の鼻をくすぐった。
「まさか真白っちがバスケ部に入ってるなんて思わなかったスよ。俺と青峰っちがさんざん言っても入ってくれなかったのに」
「・・・あれはちゃんと説明しただろ。卒業式の日に」
「聞いたけどやっぱり誠凛でバスケしてる真白っちが気に食わないっス。だから今からでも海常行きましょう?」
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