「真白くん、本当に検査ですか?」
「・・・さあな」
「すみません、僕が部活に入るように言ったから」
「入学も入部も俺の意思だ。黒子のせいじゃない」
俺の肩に乗っている黒子の手に、空いている俺の手を乗せる。
今はこれでいい。
でも本当は前みたいな事は起こって欲しくない。
誰にも悟られず3年間無事に過ごせるのが一番いい。
「集合ー!」
カントクの合図で他の部員が駆け寄るのを見て俺も立ち上がりカントクのもとへ向かう。
雨によるロードの時間を削った事によってできたでミニゲームをすることになった。
1年対2年で。
1年には帝光元レギュラーの黒子と帰国子女の火神がいるのに対し、2年生は去年自分たちだけでIH決勝リーグまで上り詰めた成績がある。
どちらが勝ってもおかしくない試合。
俺はベンチでその様子を見届ける。
「さあ、黒子の力はここで生きていけるのか?」
試合は火神のジャンプボールで1年の攻撃から始まる。
試合直後、力任せの火神のダンクが決まった。
ダンクを皮切りに1年チームは火神のみでゲームをやっているようなスタイルになる。
まるで、あの時以降の青峰のように。
・・・そうか。火神に会ってからの違和感はこれだったのか。
火神と青峰のプレースタイルは似ている。
そこに黒子(影)がいるかいないかの違い。
「これは見ものだな」
現在11対8。1年がリード。
しかし蓋を開けてみれば火神が1人でとってる点数だ。
だとすると、2年の次の手は見える。
「3人!?そこまでして火神を・・・」
「しかもボールを持ってなくても2人・・・ボールに触れさせない気だ!」
「ほら言わんこっちゃない」
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