「はぁ・・・」

「結城、鬱陶しいぞ」

「まあまあ。日向。あんな事があった後だ。しょうがないだろう?」


盛大な告白?をされた次の日。

俺は朝から疲れ果てていた。

昨日から始まった俺の処女を守る鬼ごっこと後輩によるセクハラ。

アイツは影が薄いことを有効活用しまくって俺の背後にたち尻を揉んだり脇腹触ったり抱きついたり色々やってくる。

正直言って怖い。何が悲しくて尻を守らにゃならんのだ。

日向に相談しても知らねぇとしか言ってくれないし、伊月も笑ってお茶を濁すし。

だからため息しか出てこず冒頭に戻るわけだ。


「っと弁当忘れちまった。購買行ってなんか買ってくるわ」

「おーいってら。掘られるんじゃねーぞ」

「誰が掘られるかー!」


日向はどうやら昨日の騒動をしこたま怒ってるらしい。

そりゃそうか。俺と黒子が起こしたことを全体責任負わされたんだから。

俺は財布だけをもって教室を出て行った。



Hyuga Side


購買行ってくるーと慌ただしく教室を出ていった親友を横目に弁当を広げる。

鬱陶しいのがいなくなって生々すると同時にちょっとした寂しさがこみ上げる。

あのダァホが。


「にしても黒子って見た目や顔に似合わず積極的なんだな、日向」


伊月も弁当を広げ卵焼きを1つ口に頬張る。

「むしろ物好きだろ。男で尚且つ女好きのコイツを好きになるなんてよ」

「そうだね。でも・・・昨日の結城エロくなかった?」

「っ!?ゲホゲホ」


思わず伊月の発言に飲んでたお茶が気管に入ってむせる。

何言い出すんだお前も!


「だってさ。黒子にキスされた時の顔見た?顔真っ赤にして涙溜めてさ」


伊月はクスクス笑いまた弁当に手をつける。

俺は平常心を保ち飯を食う。

すると伊月の箸がピタリと止まった。


「残念だけど結城はいないよ」

「そうですか。ありがとうございます」

「って黒子いつの間に!?」


伊月の背後に話の登場人物黒子が立っていた。

アイツは鷲の目で感知していたんだろう。平然とまた弁当を食べ進める。


「本当にこりないな、お前。あんだけ結城が嫌がってるのに」

「ええ。だって嫌も嫌も好きのうちでしょう?それに外壁を囲っておけば逃げられないじゃないですか」


後輩の言葉に俺は言葉も出ない。

外壁を囲むって、コイツ・・・。


「今のうちに周囲に僕のものだって知らしめとけば後々楽ですし。じゃあ失礼します」


そう言って黒子は教室を出て行く。アイツを探しに行ったんだろう。


「なあ伊月。アイツマジで掘られるんじゃないのか」

「かもな。黒子猛獣の目してたし」


帰って来た時にどう声をかけようとか考えながら2人で飯を食った。






 




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