携帯をカチカチと操作する。
昨日相談してもらった提案を書いたメモ帳を開く。
「よし!やるぞ!」
頬を両手で叩いて部室へと向かった。
「おはよー!」
「おー。今日は来たんだな、結城」
「元気いっぱいだなー!今日も頑張ろうぜ!」
珍しく今日は日向とコガしかいない。
いつもならこの時間だと伊月とかツッチーとかいるのに。
まあいっかと俺もロッカーを開けて着替え始める。
制服の上を脱ぎ、シャツのボタンを外してシャツを脱ぐ。
その時に感じる慣れたくはないが慣れてしまった感触。
「黒子、お前何してる?」
「先輩の素敵なお尻を触ってます。あ、お気になさらず着替えててください」
「誰が気にせずにいられるかっ!手を離せ手を!」
「しょうがないですねぇ・・・」
ようやく手を離してもらったかと思いきや黒子は俺の尻に顔をうずめた。
「ぎゃあああああ!」
思わずシャツを落とす。
キモいキモいキモい。
「黒子パワーアップしてんな、日向」
「ああ・・・こんな事でパワーアップするんじゃなくて体力でもつけてくれればいいんだがな」
もうこの一連の流れは部活内では当たり前になりつつある今日このごろ。
最初は水戸部とか伊月が止めてくれていたがもうそれもなくなっていた。
気が済むまでやらせる、それが誠凛バスケ部の暗黙の了解。
「先輩の体臭とシャンプーの香りが混ざっていい匂いがしますねぇ・・・ふぅ」
「黒子キモいからやめろぉぉ!」
黒子の顔を離そうとするが何せ後ろ向きだから難しい。
男としてのナニカをなくす寸前で火神が来てくれて剥がしてもらった。
「黒子お前1人でやってんだよ!」
「遅く来た火神くんの事なんて知りません。バスケでは相棒だとしても先輩に関してではライバルですから」
二人が火花を散らす中俺は恐る恐る着替える。
言い合いながら太ももとか触ってんじゃねーよ2人も!!
手を払いながらふと部室へ向かう前のことを思い出す。
反応するから面白がってコイツらはセクハラしてんだよな?
じっと我慢しろってくろちゃん民が言ってたしここは我慢だ。
男、結城いっきまーす!
「ほら火神くん。見てくださいよ。このふっくらとして綺麗なお尻を。いいにおいだってするんですよ?」
黒子は俺の尻を両手で揉む。
俺はぎゅっと下唇を噛み締めて耐える。
「そんなもの知ってるさ。黒子こそ分かってねーんじゃねえの?歩先輩の太ももの良さを。この太ももで挟まれたら絶対にイイ」
「うっ・・・それは美味しそうですね」
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