1泊止まってすぐに東京へ帰って来た。
練習試合と長旅、そして征十郎との1件のせいで体力はすでに無く。
ちらっと日向を見るとアイツも眠そうな顔。あ、でっけぇ欠伸した。
コイツは俺と違って試合したし余計か。
先生のまるでお経のような説明を子守唄に俺は机に突っ伏して眠りについた。
「結城くん、起きなさい!」
「ってー!リコ痛ぇ!女の子が拳骨ぐりぐりとかすんじゃねーよ」
「悪かったわね。っと結城くんに徴収。今すぐに400円を渡しなさい」
「はぁ?」
リコはずずいっと俺に手のひらを差し出す。
逆らうと後で怖いのですぐに400円を財布からだして渡す。
「ありがと。あ、今日屋上で皆で食べるわよー。なんたって今日はあの日だし」
「あの日・・・?」
「ふふふ。決まってるじゃない。幻のパンの日よ」
「ああ!懐かしいな。1年の時にリコに命じられて買いに・・・・まさか1年に」
「そっ。だからそのための徴収1人400円。私伊月くんのところに行くから〜」
バイバイと手を振って教室を上機嫌で出て行くリコ。
あーあ。1年生可哀想なことで。
「なんの思いつきかと思ったぜ・・・」
日向は俺の前の席に座る。
「そうだねー。海常に買ったし手料理振舞うから材料費徴収〜かと思った」
「うわっそれはマジ勘弁。それだったらまだお前に頼むわ」
「だよな。むしろリコの場合材料が可哀想だってーの」
「誰が材料が可哀想だって?」
「ひっ!?」
「カ、カントクいつの間に・・・」
俺と日向の前に突然とあわられたリコ。
『お昼代』と書かれた封筒を手に持ち顔が般若になっている。
怖い怖い!
「結城くん、日向くんそんなに私の料理食べたかったの?言えば作ってきたのに。あ、明日のお弁当作ってきてあげようか?」
「明日母さん作ってくれるらしいし遠慮するよ・・・」
「俺んとこもいつも作ってるし」
「いいじゃない。お母さんの負担を減らすためにも」
「すみませんでしたぁ!」
「素直にそういえばいいのよ。バカッ」
1発ずつリコから拳骨を喰らう。
くっそぉ。これがリコじゃなかったらウハウハだったのに・・・
そんな事を心の中で言ったらリコがすごい形相で睨んできた。
アイツは悪魔か!
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