俺らは黄瀬含む海常バスケ部に一泡吹かせるために海常へ向かっていた。


「おお〜広〜。やっぱ運動部に力入れてるトコは違うね〜」


体育館や校庭は誠凛よりも大きく広い。

歩いていてとても気になる視線。


「火神くん。いつにも増して悪いです、目つき」

「るせー。ちょっとテンション上がりすぎて寝れなかっただけだ」

「遠足前の小学生ですか」


変態2号はただのバカだった。バ火神なだけある。


「どもっス。今日は皆さんよろしくっス」

「黄瀬・・・!!」


待っていたのは爽やか笑顔を振りまく変態3号こと黄瀬涼太。

その前に片手に持っているのはなんだ・・・?


「広いんでお迎えに上がりました。あと歩さんにこれを」


これ、と渡されるのはさっき持ってた袋。

袋を開けると海常の女子制服・・・。


「黄瀬ぇえぇぇ!これをどうしろって言うんだ!」

「えっ黒子っちと今日賭けしたんスよ。俺が勝ったら先輩はウチに転校するって」

「黒子ぉ!お前なに勝手な事言ってんだ!」

「だって煩かったですし。大丈夫です、先輩。僕たちが勝つので安心して誠凛の制服来てください。なんなら女子制服でもいいですよ」

「え?制服着たい?私の着る?」

「ことわぁぁぁる!そんでカントクはもうちょっと自分を大事にしてぇぇえ」


袋を黄瀬に投げつける。

お前ら何勝手に話してるんだ!第一女子制服ってなんだよ!

俺は男だぁ!!

何カントク脱ごうとしてるんだよ。

脱がれたとしてもその後俺はどうすればいいんだ・・・。


俺の機嫌はすごぶる悪く、黄瀬の案内の元コートへと向かった。


「えっ・・・片面でやるの?」


もう片面は練習中で使えない。

つまり、

『片面で勝負してあげる』

これは海常の挑発ととってもいいだろう。

随分舐められてるなぁ。格下だから半分でいいってか。

このメタボ野郎が!

生徒を監督する前にお前の体を監督しろってんだ。

俺は無精ひげを生やすメタボな監督を睨む。




 




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