去年同様大敗を期した俺たちに待っていたのは気だるさと練習。

でも、まだマシとでも言えるのは後輩たちがいるおかげで俺らは腐らずに練習ができる事だった。

それはきっと後ろに後輩ができてカッコ悪いところを見せれないという俺らの意地とプライドのおかげだろう。


「ウィンターカップ!全てをぶつけるのはそこよ!」


そんな流れを断ち切ったのは誰より男前な我らがカントク。

WCへと標準を合わせ俺たちは練習を再開した。

ただ、気になることをいくつ残して。

1つ目は去年故障して抜けた鉄心が復活する事。

喜ばしい事ではあるが、俺にとっちゃ迷惑もちょっぴりある。

それについては後々言っていこう。

もう2つ目は深刻な問題で我らがエースの光影コンビの不調、不仲。


「ったくめんどくさいやろーどもだなぁ」

「でもそう言いながらも気にかける結城は優しい奴だよ」


なー水戸部。と横で着替えている水戸部にコガは話をふる。

水戸部はなんの話をしていたのかさっぱり分からずただ慌てているだけで。


「ああ?誰が」

「結城がだよ。毎日毎日あんだけセクハラとかストーカーされてんのに結局心配してるとことかさ。俺だったら気にも止めず解放されて嬉しい!ってしか思えないし」

「・・・」


床に向けて1つため息。

コガにそんな事言われて初めて俺は気づく。

確かにここ数日は姿を見てはいるがアイツらに触れられていない。

それに対して嬉しい、とかそういう気持ちは1つも浮かばなかった。

むしろアイツらは大丈夫なのか、とか心配な気持ちしか思い浮かばず。

そう、俺の中ではアイツらのセクハラがイヤって思わなくなってきたんだ。

自分の気づきたくない気持ちに気づいてしまった俺は口元を手で覆う。

今は顔を上げたくない。

だって、きっと俺の顔は真っ赤だから。




 




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