パクリと口の中へ卵焼きが消える。
うっめぇ!と言いながら結城は卵焼きを咀嚼する。
昼休みは何でも美味しそうに食べる結城に餌付ける楽しみもあって俺は好きだったりする。
「伊月先輩、僕がみてるのによくやりますね」
「ん?なんのことだい。もうすぐ授業が始まるから早く戻ったほうがいい」
「・・・」
黒子は何も言わずに去っていく。
その時結城の太ももを触っていくあたり流石だなぁと苦笑い。
数分後5分前のチャイムがなって大急ぎで弁当を食べる結城の姿もまた日常になっている。
小金井 Side
放課後ももちろん部活。
体育館に一番乗りって思ったらなんと結城がすでにいた。
「よー!お前が一番乗りとか珍しいじゃん」
「コガは元気だなぁ・・・俺にその元気くれよ」
「ん?じゃあほら、やるよ。元気玉」
結城に渡した1粒の飴玉。
朝から疲れた顔をしてる結城に甘いもんってね。
にしても毎日毎日懲りずに迫る黒子や火神もすごいけど俺はちゃんと考えて力を加減して殴ってる結城がすごいと思う。
どんだけされてもアイツはすっげぇ優しいから怪我させないようにと細心の注意を払っている。
きっとそこの部分も黒子や火神はわかってて構ってんだろうなぁ。
「先輩、柔軟しましょう。ついでにお尻の穴もほぐしてあげますよ」
「シャラァァアップ!お前まだ5時にすらなってないんだけどぉぉ!」
「・・・」
「大丈夫だって、な。水戸部!」
水戸部は心配そうに結城たちを見る。
ぶっちゃけ言って部の中で一番可哀想なのは水戸部じゃないのかって思う今日この頃。
無茶する子供のお母さんってこんな感じなのかなぁって水戸部越しに結城たちを見ていて俺は思った。
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