相田 Side

体育館へ聞いてみれば黒子くんと火神くんは既に走り込みを始めていた。

練習熱心ね、と感心して見ていると何故かクラッチ入ってた日向くんと伊月くんが来る。


「カントク。アイツらだけ朝のメニュー3倍にしたから。もし終わんなかったら放課後ずっと外周させるからそのつもりで」

「えっどういうことなのよ、日向くん!?」


日向くんは2人を鋭い目つきで睨みながらバッシュを履く。

隣にいる伊月くんに恐る恐る理由を聞いて納得。

まったく萌え・・・じゃなくてバカね。

バスケよりも恋路が大切なんて高校生らしいっちゃらしいけど私は許さないわよ。

まずはあの屋上で言った目標ぐらい達成してもらわなきゃ。

じゃないと結城くんは渡せない。


「おはよぉ〜カントクぅ〜」


結城くんはボサボサ頭のまま情けない声を出して体育館へとやってくる。

今日は2人のアタックが強かったようね。すでに疲れきってる。


「おはよ、結城くん。しゃきっとしなさいよ!じゃないと貴方も3倍やる?」

「っ頑張ります!」


流石に3倍は嫌なのか目をきりっとさせ日向くんの元へと向かった結城くん。

あーなんて萌えの塊なのかしら。

最近は黄瀬くんだけじゃなくて緑間くんや高尾くんまでホイホイされたらしいし。

ふふふ。だけど親友という立場は譲らないわ。



伊月

お昼は日向と結城と教室で食べるのが習慣。

だけどその習慣にも食い込んでくるヤツがいる。


「ウインナー食べちゃうんですか?」

「うわあああ!」

「くっ黒子てめぇいつからいやがった!?」

「ついさっきです。伊月先輩は気づいてたみたいですが」


黒子はよく自分の影の薄さを利用してやってくるようになった。

火神は飯に夢中であまりやってこないが細長いパンやウインナーが入ってるパンなどアレを連想させるようなものを持ってくることはある。

が、黒子ほどでもない。

日向と結城は気づいてたなら言えよ!と怒ってきたがそれを無視して弁当を食べる。

言ったところであんな距離じゃ逃げる事もできないだろう。

弁当の彩を飾る定番の玉子焼きを口の中に入れる。

ん、母さんの卵焼きはうまい。


「伊月の弁当の玉子焼きってうまそうだよな」


黒子とセクハラの攻防をしながら結城は羨ましそうに言う。

俺は最後の1つの卵焼きを箸で掴み結城の口元へ持っていく。


「ほら、食べなよ」

「えっ!?いいの?じゃあ遠慮なく。あ〜」









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