後輩やはたまた他校の後輩、先輩にセクハラされ続ける可哀想なこの物語の主人公の結城歩。
彼がどんな毎日を送っているのか周囲の人越しに覗いてみようと思う。
日向 Side
バスケ部の1日は朝練に始まり放課後の部活、自主練に終わる。
俺は1番早く来て鍵を開ける。
他の1年や2年も間を空けずすぐに来る。
昨日のTVの話や学校の課題や授業の話など何気ない会話をしつつ着替えていく。
最近・・・いや1年が入部してから1つ朝の流れに加わったものがある。
それは、
「ぎゃああおまっ何ズボンに手を入れてんだっ!」
「今日の先輩の息子さんは元気かなと思いまして」
「うるせぇ!他人の息子より自分の息子心配しやがれ!火神はどさくさに紛れて横腹触るなっ首噛むな!」
「歩先輩うるせぇ・・・朝なんだから静かにしろよ」
「お前が言うなぁ」
「結城の方がうるさいわ!ダァホ!」
我が部活の主力である光影コンビによる結城へのセクハラ。
1年と2年の顔合わせからすでに始まっていたこのセクハラもいつの間にか慣れてしまった。
最初は伊月や土田も助けてやっていたが今じゃBGMのように聞き流し、見過ごしている。
むしろコガなんて指差して笑ってやがる。
なぜ凡人である結城がこれほどまでに男に好かれるかなんて1mmも分かりたくないがとにかく部活前から疲れきっちゃ俺らも困る。
だから俺は結城の腕を引っ張って後ろにやりアイツらの間に立つ。
「黒子ぉ、火神ぃ・・・朝からこんだけ元気あるなら朝メニュー3倍でいいよなぁ?」
「えっ」
「いやそれは・・・」
「つべこべ言わずにさっさと行けやごらぁ!終わらなかったら放課後の部活ずっと外周させるぞ!」
「行ってきます」
横で涙ぐみながらも着替える結城を見て1つため息。
「日向、お疲れ」
「ったくアイツもアイツで拒否すればいいのによぉ」
「結城なりにしてるんじゃないかな。ただあの2人がそれを上回ってるだけで」
伊月とそんな会話をしつつ体育館へ向かう。
さあ、いっちょ頑張ろうか。
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