「宮地さんっこんな我が儘通用すると思ってるんですかっ!?」
「おお。気に食わんが緑間の実力は本物だ。監督も我が儘は1日3回までと決めてある。それをオーバーしなければなんでもできるさ。それに・・・」
「それに?」
「アユちゃん、いや結城と一緒にいれるだけで俺は十分だっ!」
「さっすが宮地先輩!そこにしびれる憧れるぅ!」
「いやいや待て高尾。そこは落ち着け!」
思わぬ事態になってきたぞ。
これはヤバいヤバい。3人の目が本気の目だ。
「そんな事はさせません」
「うわぁぁぁぁ!」
俺の目の前に現れた水色。
変態1号もとい黒子。
黒子は俺の体をペタペタ触り無事な事を確認すると後ろから抱きしめられる。
「おっお前いつの間に・・・!」
「ついさっきです。あまりにも戻りが遅いのでカントクに命令されてきました」
今ならお前の事好きになれる気がする。
黒子男前過ぎないか?
「ありがとうございます。このまま僕とランデブーしましょう」
「心の中読むなよ。むしろランデブーって古いし」
「・・・黒子なんのようなのだよ」
「ただ先輩を取り返しに来ただけです。あと、誠凛は負けるつもりないので先輩はあげません」
「やっぱりお前の考えは甘ったるい。甘ったるい考えが故に歩さんが目の前から消える様を見ておくがいい」
緑間は眼鏡のブリッジを上げる。
黒子は黙って3人にお辞儀すると俺を引っ張って秀徳の控え室から出た。
その後、誠凛の控え室に戻った俺は怒りのカントクの下で正座し今までの事を一言一句間違えずに伝えた。
カントクは怒りと萌えに震え、日向からクラッチタイムでの拳骨をくらい、火神から熱い抱擁を貰った。
「いい、皆?結城くんを秀徳に転校させないためにもこの2試合勝つわよっ!」
「オオー!!」
次の試合。去年の因縁の相手の正邦を下し、緑間を加え戦力を大幅アップした秀徳に勝てた事は奇跡に近い事だった。
が、この事で俺の転校話も消えて一安心した。
(歩ちゃん先輩〜!)
(歩さんのお尻揉み放題・・・)
(アユちゃん、いや結城との学校生活が・・・)
(なんだコイツら)
大坪:試合終わった後の3人からずっと「歩」と言う言葉しか聞こえませんでした。
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