太ももを火神はいやらしく下から上へと撫でる。
背中がゾクゾクする。
今すぐにでも罵倒して蹴ってやりたい所だが我慢、我慢。
黒子と火神はいつもの鉄拳がこないので不思議に思ったのかふとセクハラする手を止める。
「先輩どうしたんですか?いつもの先輩らしくないですよ」
「そんな反応だとつまらないぜ」
「うっせ。さっさと練習に行け」
シッシと手で2人を払うとあっさりと部室から出て行った。
「っしゃぁぁぁ!」
小さくガッツポーズ。
くろちゃん民よ!黒と火からのセクハラをやめさせることができたぞ!
「先輩、必死に耐えてましたね」
「あんな姿も可愛いな」
「顔真っ赤にして下唇噛み締めてる顔なんか堪りませんね。早く鳴かしたいです」
「まだだろ。部活終わってからだ。気に食わないが黄瀬も来るしな」
「ええ。本当にです。火神くんと一緒ってだけでも譲歩してたのにまったくあのモデル犬が」
くろちゃん民に敬意を評していた俺は部室の外でそんな会話が繰り広げられている事なんて知るはずもなく。
部活が終わってからあんな事になるとは思わなかった。
思いたくもなかったがな!
「歩さん!」
「ひっなんでここにいるんだ、黄瀬!」
部活が終わって持久力つけるために走って帰ってると制服姿の黄瀬がいた。
聞くと撮影帰りとの事。あーマジこのイケメンホモデル爆発しろ!
「久々に会えて嬉しいんスけどちょっと来てもらいたい所があるんス」
「来てもらいたい所?」
半信半疑で黄瀬の後ろを1mほど離れて歩く。
正直ビクビクものだ。こんなホモデルが行く場所なんてロクな場所じゃない。
「歩さん。ここっス」
「ここって・・・」
着いた場所は有名なマンション。
まさかコイツの家・・・?ホモデルならありえそうではあるがここは東京。
神奈川の海常に通うには流石に遠い。
手をひかれてエレベーターに乗せられる。
目的の回のボタンを押してエレベーターは動き始めた。
「ふふふ。歩さんどうしたんスか?」
「っうっせ。近寄んじゃねーよ」
「近寄らない方が難しいっスよ。だって狭いし」
ねぇ、と同意を求められると同時に耳を齧られる。
「っ!?」
いきなりの事で背中が飛び跳ねる。
黄瀬はそんな俺の反応に気分をよくしたのか耳の中に下を這わす。
我慢だ、我慢。
これは犬の甘噛み。されたって面白くないと思わせる。
心の中で復唱する。
目をつぶって襲ってくる快楽をやり過ごす。
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