「っていうのを新刊で出す予定なんだけどどうかな?」
「どうかな?じゃない!これを俺に見せてどうすんだよ!」
「んー一応本人の確認?ナマモノだしすっごい身近な人だからバレた時のショックが大きくないように教えておこうかと思って」
えへへ、と可愛らしく笑う麗しき乙女たち。
否、腐った乙女たち。
教室に着くないなや引っ張られて教室の隅に固まる女の子たちの集団の中に連れて行かれた。
これはハーレムフラグかと意気揚々と行ってみたらなんとそこには俺と黒子、火神が絡み合ってる桃色な本が散らばっていた。
おい、黄瀬とか緑間とかもいるんだけどぉ!?
黄瀬は学校に来たからわかるけど緑間と高尾の事は知らねーはずだぞこの子たち。
「あ、おはよーリコ!この前リコが言ってた緑歩と高歩本作ったんだけど見てみて〜」
「おはよ。あら。仕事早いわね。流石マリ」
リコォォォお前か!
というかお前以外にこんな情報流すヤツいなかったな。忘れてたわ!
リコはマリちゃんから緑間と高尾と俺がまぐわうアーッな本をペラペラとめくり満面の笑みを浮かべる。
「マリ1部ある?」
「もっちろん!むしろ結城くん情報もらってるんだしあげるわよ〜」
「ありがと」
リコは次々と薄くて高い本を女の子達から受け取る。
ああ・・・俺の痴態が、妄想により生まれる痴態が晒されるっ。
強く言えないのは腐っても女の子だし可愛いし悲しい表情されるのが何より嫌な俺は黙る事しかできず。
ぐっと視線をそらした。
「そういえば結城くんどうして昨日帰っちゃったのよ!日向くんから黒子くんと火神くんに連れてかれたってしか聞いてないんだけど?」
「うぐっ・・・それは・・・」
そう。昨日あろうことか後輩に処女を奪われた俺。
初めてで2人を相手にした俺の体はバッキバキで疲労困憊。
部活をする体力も残ってない俺を学校から近い家までアイツ等に送らせたのだ。
ぶっちゃけ今も腰がダルい。
でも朝練は怪しまれることなく出来たことを褒めていただきたい。
「えっどういうことなの、リコ。そんな話し聞いてないわっ」
「ヤっちゃったのね。結城くん初体験の感想を詳しく!」
「最初で3Pとか結城くんやるわねぇ」
「もう嫌だァァァ」
女の子の暴走が止まらない。
猥談は好きだけどっ
女の子の猥談はエグいって聞いてたのは本当だったようだ。
思わず涙が出てきた。
パンパン、とリコは手を鳴らす。
すると鼻息荒く迫ってきた女の子はすっとひいた。
「はいはい。順番順番。さてと、結城くん。教えてもらおうかしら。どうして帰っちゃったのか。事の経緯から何から何まで」
「・・・ハイ。シャベリマス」
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