「っあ!」
壁に押し付けられる。
ただ日向たちと話してただけなのに見たことのない表情をするコイツらが怖い。
壁に押し付けられた背中が後頭部が痛い。
体格で負けている俺は押し付けられている手をどかす事ができずただ睨むばかり。
「お前ら何しやがるんだ」
「・・・別に」
「先輩が悪いんですよ。主将たちと楽しく話しているから」
2人の目には光が消え虚ろな目で俺を見つめる。
その目は俺に恐怖を抱かせる。
「黒子、火神・・・」
「先輩は僕のものですよ?火神くんのでも主将のものでもカントクのものでもない」
「ああ?黒子なに言ってやがる。共同戦線だろ?」
「そうでした。では訂正して僕たちのものです。だから僕たち以外を見ないでください」
冷たい2人の手が俺の頬を両方から優しく撫でる。
その手が怖い。
「い・・・いやだ。俺は俺のものだ」
声が震える。
手も足も全身が震えて今すぐにでも逃げ出したい衝動に駆られる。
だけどそれを2人は許さない。
「いいえ。先輩は僕たちのものです。ボールを触る手も、体育館の床を走る足も、楽しそうに笑う口も、皆を映す目も全て」
「でも歩先輩が嫌だって言うならしょうがねーよな」
火神の手が頬から俺の首へと移り首を閉める。
「ぐっ・・・」
「最終手段です。先輩、僕たちのために閉じ込められてください」
酸素が頭に行かない。
クラクラしてきて目蓋が重くなりそこで俺の意識が途絶えた。
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