「はなっ離せ!バ火神!」

「うっせーな。元々先輩が浮気しなきゃよかったんだよ」



だから浮気ってなんだよ!ちくしょう!

お前たちと付き合ってすらねーってのに。

本当に妄想乙だわ。

ひっ黒子さりげにシャツから手をいれるな!


「まあまあ2人もさっさと飯食べないと時間ないよ」

「っス」

「はい」


伊月に言われてようやく火神はおろしてくれた。

ああ・・・・地面が懐かしい。

両隣に変態1,2号と挟まれて息苦しい食事。

だってアイツら片手は俺の服掴んでんだもん。

これが女の子だったらどれだけ嬉しいことか!

しかし現実は男。しかも1人は自分より身長デカいし。


「火神お前よくそんなデカいの食えるな」

「ん?これぐらい食わねぇと持たないからな」


モシャモシャと100cmの長いBLTを一人で食べる火神。

火神は食べるのをやめ、俺の口元にそのBLTを近づける。


「食べてみるか?」

「おおー。いいのか?じゃあ遠慮なく」


カプっとBLTに齧り付く。

が、なかなか大きいから口にも入らないし、噛み切れないしで悪戦苦闘。


「ぅ・・・ふぐぅ・・・んん」


思わず変な声を漏らしながら頬張る。

ようやく噛みちぎれて咀嚼する。あ、うめぇ。

ふと変な空気になったのに気づき周りを見渡すと皆が顔を赤らめていた。


「歩先輩。これは反則ですよ。先輩方まで先輩の可愛さを知ってしまったじゃないですか」

「せ、センパ・・・エロッ」

「ダァホ!へ、変な声出すな!」


フリと日向が何か言ってるが俺は気づかず。


「全く・・・先輩は僕の・・・」


黒子がふと俺の首筋を覗く。

だんだんと険しい顔になって火神を呼ぶ。

火神も首筋を見て人を殺しそうな凶悪な顔になる。

どうしたんだよ。コイツら。


「先輩、すみません。ついてきてください」

「え?ヤダよ。まだ飯食ってるし」

「火神くん」


火神は俺の前に立ち、無理やり立たされ俵抱きをされる。


「うおおおお離せぇぇぇ」

「すみません、主将。ちょっと先輩と話がありますので」

「おお・・・いってらっしゃい」


連れて行かれるその刹那、皆呆然と食事の手が止まって俺らの事を見ていた。






(アイツらどうしたんだろうな・・・)

(にしてもさっきの結城エロくなかったか?)

(確かに。というか最近艶やかになったんじゃね、結城)

(ダァホ!男に艶やかとか使うか普通)



残された部員の会話




 




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