時間は変わってお昼休み。
俺らは弁当を持って屋上へ向かう。
金を渡して説明した時の1年の顔は本当に笑えた。
変態1号は終始無表情だったがな。
「にしても3倍はやりすぎじゃないか、日向」
「うっせーよ。ダァホ。俺らも去年そうカントクに言い渡されたんだがらそれでいいだろ」
「そうか。もう1年前になるのか。懐かしいなぁ・・・はっ夏が懐かしい。キタコレ!」
「キテねえよ!」
いつもの伊月のダジャレにツッこむ日向の姿を笑いながら屋上の扉を開けた。
「久々だなぁ。みんなで来るのも」
「そうだな。あん時以来か」
「あれは恥ずかしかったよな、水戸部」
「・・・」
屋上の柵に寄りかかるように座り弁当を横に置く。
あー疲れた。本当に疲れた。
部活できる体力あるかな。
「ねぇ、結城すごく疲れてない?」
「おお。流石コガだな。よく気づいた。俺は物凄く疲れている」
「はぁ〜。試合も出ずに女装してた奴が何言ってんだよダァホ」
「俺だって好きで女装してたわけじゃねーし試合だって出たかったよ!日向のアホォ!」
思わず隣にいる水戸部に抱きつく。
うぇーん。みんなが虐めるよぉ〜。
水戸部はいきなり抱きしめられた事に驚きはしたがすぐに優しい顔になって俺の頭を撫でる。
やっぱりお兄ちゃんは違うなぁ。
どっかのぷっつん眼鏡とはエライ違いだ。
「し、主将・・・例の、か、買ってきました・・・」
「おー。お疲れ。それはお前らで食えよ」
1年の疲労しきった声が聞こえる。
買えたのか。そりゃあよかったよかった。
水戸部の暖かい体温と日の光で眠気を誘われてついウトウトとしているとぐいっと俺の体が持ち上がった。
「うわっ!」
「先輩僕というものがありがながら浮気ですか」
「ったく油断も隙もねーな、です」
火神に首根っこを掴まれる。
いきなりのことで水戸部もキョトンとした顔をして火神を見た。
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