□シロウサギの場合(黄瀬)



「ア、ア、アリ、ス。僕のアリス・・・・あなたの腕を、足を、首を、声をください」

「いいっスよ」

「えっ嘘ぉ!?」


黄瀬はシロウサギの歩の申し出に軽く答える。

思わず歩は素っ頓狂な声を出す。


「歩さんのためだったら俺なんでもあげますよ」


黄瀬はモデル独特の満面の笑みを浮かべる。

しかしその目は笑っていなくどことなく狂気が含まれていた。


「ただしその代わりに歩さんをくださいっスね?」

「えっ・・・」

「歩さんの体も声も精液もぜーんぶ俺のっスよ。もちろん歩さんにも俺の精液をたっぷりあげるっス!」


やばいヤツがアリスになったものだ、と歩は心の中で思った。

逃げようとするが黄瀬が前から抱きしめているせいで逃げることができない。


「うさぎさんは寂しくて死ぬらしいっスからね。毎日挿れてひと時も離さないから安心してくださいね、歩さん」

「いっいやあああああああ」


このままだと精も根も尽き果ててしまう!


「逃げないでくださいよ〜。まあ逃げるのを捕まえるのも楽しいですけどね。はっこれも一種の放置プレイ・・・?」

「違う!断じて違う!鼻息荒い!いやああああああ」




アリスを貰うどころか歩が黄瀬に貰われてしまった。


(いっいや、やめ、もう欲しいとか言わないから。やっらあああ)









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