■女王様(赤司)


薔薇色のドレスを身にまとい自分の背丈よりも大きい大鎌を持ち立つこの国の女王様、歩。


「って俺こんな服着たくないんだけど!」

「まあまあ女王様。物語上しょうがないのですから我慢してください」


トランプ兵は歩をなだめる。


「女王様。アリスが来られるようです」

「アリスだと!?来んなって言っておけ!」

「で、ですが・・・」

「誰が来んなって?」


ドアの先に現れる真っ赤なドレスに真っ赤な髪の少年、赤司。

赤司はにっこりと笑い歩の方へ向かう。

トランプ兵たちはそんな赤司を見て逃げ出した。


「ちょ!お前ら!逃げんな!」

「いい兵を持ったじゃないか、歩。ドレス姿も似合ってるよ。うん可愛い」

「可愛いとか男に言うな。気持ち悪い。そういうお前の方が可愛いよ。赤い髪に赤いドレスとかお似合いじゃないか」


挑発には挑発を。

歩は大鎌を持ち替えて赤司をあざ笑う。


「言うじゃないか。流石はこの国の女王様ってとこだね」

「ありがとうよ。ところでアリスさんはこんな所に何のようで?」

「うん。歩と女装プレイをしようかなって」

「・・・・帰れ!」


歩は大鎌を赤司の前で振り回して威嚇をする。

しかし赤司はそんな威嚇なんてつゆ知らず。

大鎌の振り回すモーションを見切り歩に近づき押し倒す。


「!?」

「ほら、見てごらんよ。歩。まるで女の子同士みたいだろ?」


部屋の大きな鏡に映る自分と赤司。

それは言われた通り女の子にしか見えない。


「たまにはシチュエーションを変えてヤるのもいいと思うんだ?」


その時の清々しい赤司の笑みを歩は忘れることはなかった。



(お前の方が女王様だろ!むしろ魔王だ!)









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