俺は一言一句嘘を言うことなく征十郎に伝えた。
でもその事で高尾と黄瀬と黒子の事まで言うことになった。
別にそれはいいんだ。いや、よくないけど。
醜態自ら晒すとかどんな羞恥プレイだよ、って話だが問題はそこじゃない。
「へぇ・・・テツと涼太と真太郎がねぇ」
「え?征十郎あの変態共と知り合いなの?」
「ああ。中学校の時のチームメイトさ。俺が主将でね」
えええええええええ!
お前アイツらと一緒のチームだったのかよ!
強豪校の主将勤めてるとは言ってたけどまさかよりにもよって変態共の・・・だと。
「それで歩はテツと先輩後輩関係で涼太のご主人様になって真太郎のお尻さんと」
「・・・後ろ2つは認めてないがな」
「テツたちに好かれそうだとは薄々感じてはいたが。にしてもちょっと歩の危機感の無さには驚いたよ」
「うるせえ!むしろ男に身構えてる方がおかしいだろうが!」
「おかしくはないさ。だからこそ今日も襲われてたんだろ?男に」
「うぐっ・・・」
言い返せる言葉がない。
どうしてこうもコイツは年下の癖に頭が回るんだ。
「しょうがない。歩が誰のものが今一度分からせようじゃないか」
「えっ」
今まで抱きしめられていた体がトン、と押されて畳にぶつかる。
頭からぶつかって痛いがそれどころじゃない。
急いで起き上がって征十郎の方を見ると俺が一番嫌いな王者のような目。
「歩。お前は一生僕の所有物だ。それだけは履き違えるな」
「俺は俺のもんだ。いつまでたっても自分の思う通りになるって思ってんじゃねーぞ、糞餓鬼っ」
征十郎に殴りにかかる。が、それは簡単に止められた。
まあさっきやった手だから当たり前か。だがっ!
「足はがら空きだぁぁ!」
足払いをして、征十郎に尻餅をつかせる。
ぷっあの王者が間抜けに尻餅なんて笑えるぜ。ははっ。
写真を撮ってやりたい所だけどその前にマウントポジションをとる。
最近変態どもに取られてきた場所をついにっ俺は取れた!
女の子に取りたいとこだけど今日はさておきだ。
「歩やるようになったね」
「まあな。お前のチームメイトたちのせいで俺の格闘技はみるみる成長したさ」
得意技はヘッドバッドです!
この時ほどばかり石頭の俺の頭を褒める事はないだろう。
「でも、詰めが甘いよね?」
「え?ひっ・・・!」
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