ヤツ、赤司征十郎とは従兄弟の関係にあたる。
従兄弟と言っても俺の家はあまり親戚交流をしないから元旦かお盆どちらかに会うぐらいで。
でもそのどちらか会うのだけでも俺は嫌だった。
小さい頃から暴君で自分の言う事は絶対、そんなヤツだった。
そんなヤツは同年代の子供が沢山いる親戚の中で俺に執着するようになって行ってから帰るまでひと時も離さなかった。
そう、今もだ。
「重いっ邪魔っどけっ!」
「それがどうしたんだい?いつものことじゃないか」
手を繋いで部屋まで行き、部屋に着くと後ろからずっと抱きしめられる。
終始腹やら太ももやら触られていて俺は不快度マックス。
今日の昼のことも思い出してゲロゲロ。
ヤツは気分をよくして俺の尻を揉み出す。
「っ!触んな!」
思わずヤツの手を叩く。
尻を触られた瞬間緑間のあの気持ち悪い顔と感触を思い出した。
あーアイツもうちょっと殴っとけばよかった!
「・・・ふーん。歩、僕のやる事拒むんだ」
部屋の温度が3度ぐらい下がった気がする。
やっべ。ヤツのスイッチ入れちまったかな。
「あっ赤司、これには話せば長いわけが・・・」
「赤司・・・だって?」
眉間に皺を寄せオッドアイがキラリと光る。
ひぃぃぃぃもうダメだ!スイッチ押しちゃった!
「征十郎さまぁぁぁすみませんでしたぁぁぁ」
思わず俺は土下座をする。
人間誠意を持って謝れば許してくれるってそこで元気にしてるばっちゃが言ってた!
しかし、ヤツ・・・暴君征十郎は許してくれるはずもなく。
「ふぅん。歩はいつの間に偉くなったのかなぁ?この前はお尻を触っても手を叩く事はなかったのにねぇ。話してくれるかな?一言一句誤魔化さずにね」
「・・・」
「歩?」
「はいっ分かりましたぁぁ!」
征十郎が顎を掴んであと少しでキスする所まで来ていた。
流石に男とマウストゥマウスをしたくないので潔くしゃべることにした。
すまん、緑間!お前の骨は拾うわけはないがな。あんな変態のなんぞ。
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