白い包みに包まれている小さめの箱。
包みを開けてみるとそこには緑色のゴム製の男性生殖器を模した大人の玩具、つまりバイブが入っていた。
思わずそれを緑間に投げつける。
「ぎゃあああああ何渡してんだよ変態!」
「むっこのバイブは幸運のバイブなのだぞ。喜んで使うべきだ。使い方が分からないなら俺が教えてやるのだよ。四つん這いになってお尻を出せ」
「嫌だ!尻は渡さない。幸運のバイブとか聞いたこともねーわ!」
「我が儘は良くないのだよ。さっさとお尻を出すのだよ。お尻を」
どうしよう。涙が出そう。
でも泣いちゃダメ。男の子だもん。
それに緑間の横でハァハァ言ってるホモデルがいるから危険。
前みたいに事後のようだって欲情されても困る。
絶体絶命か。そう思った時に救世主が現れた。
「真ちゃーん!何1人で先行っちゃってんのさー!俺恥ずかしかったんだけど!」
チャリにリアカーをつけて漕いでいる学ラン少年。
真ちゃんって緑間の事だよな?ぷぷっ真ちゃんだってよ。
学ラン少年はチャリを停め緑間の近くへ寄る。
「高尾遅いのだよ。でもお前が遅いせいで素晴らしいお尻に出会えた」
「えっそうなのっ?どれどれ?」
「彼だ」
彼、と指差すのは俺の方向。
というか普通に会話しちゃってるけどコイツも変態の仲間か?
「えーっと素晴らしいお尻さん?俺高尾和成。よろしくね?」
高尾くんはニッコリと笑い俺に右手を差し出す。
コイツ久々に見る好青年かも・・・笠松さんの次に癒しだ。
「俺はお尻さんじゃなくて結城歩だ。よろしくな」
高尾に差し出された右手を掴み握手を交わす。
横で緑間と黄瀬が俺たちと態度が違う、とか言ってるのは聞こえない。
全く聞こえない。
「・・・高尾くん。手を離してくれないかな?」
「んーもうちょっと。いいでしょ?歩さん」
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