「・・・なあ黒子」
「なんです、先輩」
「お前何人の股間の匂い嗅いでんだっ」
「痛いです。一応僕怪我人なんですよ」
「じゃあ大人しくしとけってんだ!」
黒子はいま俺の膝枕で休んでいる。
頭を怪我したというのにうつ伏せになってあろうことか俺の股間の匂いをすんすん嗅いでやがる。
何故怪我したかって?
試合中に変態3号の腕が当たって出血。
本人至ってやる気だが気力と体が反比例。
今試合は黒子の代わりに小金井が入っている。
俺らだって伊達に練習していない。
黒子や火神に頼らざる負えないが俺ら2年のプライドってものがある。
しかし点差は開いていく。
「先輩、ありがとうございました」
「おお。もう大丈夫か?」
「ええ。先輩の太ももと股間で大分。今度は直接触らせてください」
「セクハラ発言する元気があるなら行ってこいってんだ」
背中を叩いて黒子を出す。
「ふふふ。結構効果あったみたいね」
「ああ?何笑ってんだよカントク」
「だって黒子くんだって火神くんだって頑張ってるじゃない。結城くんを女装させたかいがあったわ」
ただ相手チームにも士気を高まらせちゃったのは誤算だけど、とカントクは笑う。
「もう勘弁してくれよ・・・俺だって試合に出たいし」
「分かってるわ。これはあくまで確認のためだったの」
火神が試合終了と同時にダンクを決めて100−98でウチが勝利した。
整列もまだだというのに黒子と火神は俺の方へと向かって激突する。
超痛い。くっそ痛い。
俺の気持ちなど分かろうともせず2人もギュウギュウと抱きしめる。
「先輩勝った・・・です!勝利祝いに一発しましょう!」
「ダメですよ、火神くん。まずは僕の介抱してもらわないと。歩先輩、先輩の体で僕を介抱してください」
「ああ?怪我人は大人しく寝てろよ。先輩は俺が貰うから」
「嫌です」
「っ2人も整列しろぉぉぉ!」
ウチも海常も俺らのやり取りを呆然と見ていた。
(うっ歩さぁん)
(黄瀬、あの子は誰だ?)
(歩さんっス!俺のご主人様なんで笠松先輩は手ぇ出さないでくださいね?)
(お・・・おおう)
とにもかくにもまずは新チームにて1勝!
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