俺はすごく困惑している。

だって目の前には俺の身長(175cm)より高い大男。

で、すっごくイケメン。

その後ろに目がハートマークになってる女の子たち。

あぁどうして君たちはそんなに可愛いの!


「ねぇ、君の名前は?」

「・・・結城歩」


結城っちですね、とイケメンは照れくさそうに笑う。

なんだ。そのっちって。

まるで小学生のころのあだ名みたいだ。

そんなイケメンは俺の両手を大きな手で包む。

あれっこの光景どっかであったような・・・?


「結城っち、いえ。歩さん。俺と付き合ってくださいっス!」

「・・・い」

「え?歩さんなんて?」

「ぎゃああああああああ変態ぃぃぃぃぃ!!!!!」


思わず包まれた手をどかしイケメンの頬を叩く。

ふと見えた女の子たちの怒りの顔。

ああ、終わった・・・俺のモテモテハーレム終わった。

イケメンは叩かれた頬を細い綺麗な手で押さえ動かない。

えっもしかして頬じゃなくて耳叩いちゃった?

思わず不安になってイケメンの顔を覗き込む。


「歩さん!もっともっと叩いてください!」

「えっ・・・どうしたのイケメンくん?」

「俺っ歩さんが叩かれただけでこんなんになっちゃったんス。だから責任とってくれませんか?」


手を掴まれ、導かれた先はイケメンくんの股間。

触れたのは固く熱い―――


「いやああああああああ!!!」


俺はグーで股間を殴ってしまった。

まだ手に生々しいぬくもりが手に残っている。

どんなに制服でこすってもこすっても感覚が消えない。


「っ・・・流石歩さん。素晴らしいっス!歩さんの中に入れさせてください!孕ませるぐらい濃いミルク出させてください!」

「無理無理!お前気持ち悪い!黒子や火神よりも気持ち悪い!」


早く部活に行こう。

こんな変態と刺すような視線の中で俺生きていけないっ。


「えっ歩さん黒子っち知ってるんスか?」

「な、なんだよ・・・知ってちゃ悪いのか?」


できれば知りたくなかったんだけどな。


「あの、頼みがあるんですけど黒子っちのいる場所まで連れて行ってくれませんか?」

「はぁ?」









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