「どこっスかねぇ・・・黒子っち〜」
黄色い髪がフワリと空に舞い、耳のピアスがその間からキラリと光った。
黄瀬は1人元チームメイトが進学した誠凛の地に立っていた。
しかし広く、体育館が見つからない。
ブラブラと探しているが誠凛は学ランのため黄瀬のブレザーは一際目立つ。
尚且つ彼はモデル業もしているため女子の黄色い悲鳴は鳴り止まない。
前後ろ左右斜め。どこからも女性の声、声、声。
見つからないなら人に頼ればいい。しかしそこで問題が発生する。
自分が人より認知度が高く、モテることも理解している。
だからこそタチが悪いのだ。
「(うるさいなぁ。話しかけるにしても可愛い子がいいっスよねぇ)」
黄瀬は女の集団の中でとびっきり可愛い子を探すが見つからない。
誠凛に通う子は皆レベルが低いのだろうか。
期待はずれっスねぇ、と女子に聞こえないように小さく呟く。
地道に探していこうかと考えて歩こうとしていた時。
黄瀬の視界に目に留まる人が1人。
茶色のふわふわとした髪が歩くたびに揺れる。
「これは・・・運命っスよ」
女子をかき分けてその人の元へ走る。
「ねぇ!君!」
「はい?」
結城 Side
今日は日直で遅くなった。
もちろんカントクには伝えてある。
もう仕事も終わったしさっさと部活に行こう。
そう思って体育館までの近道をしているとなにやら女の子の黄色い声。
なになに。俺に向けてるの?
やっぱりあの悪魔考え直して女の子にモテるようにしてくれたのかなー。
うへへって笑う。もちろん口元は隠して。
天然?
それとも無言クーデレ?
ロリ系お姉さま?
僕っ娘?
誰でもいいよ!
女の子は世界を救う!
「ねぇ!君!」
「はい?」
笑顔で振り向いたらそこには俺よりデカいイケメンがいた。
→