時は少し遡り砂浜練習が終わったあと。

日向と伊月のせいで人柱になってしまった俺はズルズルとカントクの部屋まで連れて行かれた。


「えっ待って。女の子の部屋に俺入っていいわけ?」

「入るもくそもないわよ。むしろ入らないと結城くん変態よ?」

「へへっじゃあお邪魔・・・って変態ってカントク何すんだよっ!」

「んー。ちょっととある子たちのレベルアップに一役かってもらおうかなって思って。しかもあっちの本気も見れるとなれば一石二鳥だし」

「意味わかんない意味わかんない!!手に持ってるの何!?」


カントクは部屋に入るな否や、俺を畳の上に転がし、両手に布切れを持つ。

うふふ、と満面の笑みを浮かべるカントクは俺が今までで一番ヤバイって思った瞬間だった。


「ちょーっと脱いでもらおうかしら?」

「いやああああああ!?」


ベトベトのTシャツやズボンを脱がされた俺に着せられたのは悲しくもセーラー服だった。

しかもこの制服は俺の都内制服辞典によると秀徳のだ。

短い。スカートが短いよ、カントク!

パンツ見えちゃうって!

パンツが見えないように短いスカートを伸ばしつつ俺はペタンと畳に座る。

所謂女の子座りだ。


「本当に女装似合うわね、結城くん」

「嬉しくないっ!服返せよカントク!」

「嫌よ。これから結城くんを餌にして黒子くんたちを釣るんだからっ」

「はぁぁぁ?ちょっと詳しく説明しろ!わかりやすく!丁寧に!」


カントク曰く俺をだしに使ってあの変態コンビを主にレベルアップさせようという魂胆だった。

アッチには暇があれば俺に近寄る尻フェチと手フェチとドルオタがいるわけで。

その3人の全力を部員に目に焼き付かせるというのもあるらしい。


「おい!俺も部員なんですけどぉぉぉ練習出させろよ!」

「大丈夫よー。まず結城くんには精神から鍛えてもらうから」

「精神つーか羞恥の間違いだろ!?」

「いいからさっさと行くのよ!」


ガンと動かない俺に痺れを切らしたカントクは後ろのスカートを引っ張って無理やり歩かせる。

俺のA●フィールドぉぉぉぉぉ!


「結城く、じゃなくて結城ちゃん行きましょうね〜」

「カントクマジでふざけんな、あ、や、ちょやめ、勘弁してくだっ」

「さあ体育館へレッツゴー!」









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