「起きろ、日向、結城」

「んん・・・」

「ここは地獄の山頂かぁ?」

「違うってば!カントクが美味しいカレー作ったから食べよう!」


コガに起こされて家庭科室に戻ってみればさっきとは違うカレーの匂い。

ちゃんと具材も切ってあって、見た目は俺たちが知っているカレーだった。


「火神くんと一緒に作ってみたの。2人も食べてみて」


恐る恐る口に入れてみると美味しかった。

普通に美味しい。


「うめぇ」

「これで大丈夫そうだな、日向」


部活後もあってか腹が減ってた俺たちはガツガツカレーを食べる。

カントクもそんな俺たちを見て嬉しそうに笑った。


「じゃ次いくわよ!2品目は寄せ鍋!」


カントクは褒められて調子ついてきたのか次の料理へと進んだ。

土鍋の中に入っていたのはまるごとの魚に野菜・・・。

結局は何も変わってなかった。

ただ言うなればサプリなどを入れるという1つの原因が見つかっただけでもよしとしたい所だった。


「あ、そういえば先輩の料理食べてみたいです」


黒子が思い出したように呟く。


「結城くんの料理そういえば全然食べてないわね・・・」

「よし!結城!そこの材料で作ってみてよ」

「ああ?なんで俺が・・・」

「いいじゃないか。これもカントクの腕を上達するためだと思えば」


伊月にそう言われ、うっと躊躇い1つため息をつく。


「じゃあカントクおいでよ。簡単なの教えるから」

「!!うん!」


カントクと一緒に台所へ立って1つ1つ教える。

男前なカントクは料理も豪快だった。

皮は向かないし、炒める順番もクソもない。

これは骨が折れそうだ。


「まるで新妻の手料理を待ってる気分だ」

「そうですね。新妻と姑さんが台所に立ってるというとこでしょうか」

「新妻というか通い妻って感じがするけどな、歩先輩」

「伊月ー。木吉たちが怖いー」

「そんな事前々からだろう、コガ」



アイツらがそんな事を言ってたなんて何も知らない俺たちの料理は皆に好評だった。

豚の生姜焼きと青じそドレッシングで和えた和物。

これだったらできる!と意気込んでくれたのできっとまともな飯が合宿でもありつけると思いたい。



(先輩。今度裸でエプロンつけて料理してください)

(何シレっと怖い事言ってんだお前!)

(裸エプロンは男のロマンじゃないか)

(そんな事言うならお前がしろ、木吉!)






カントク は カレー を 覚えた! テッテレー!




 




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