「もーしょうがねぇヤツらだなぁ!」
一足遅く部室を出た俺は何気なく体育館へと足を向ける。
ただなんとなく、誰かいそうな気がして。
ドアを少しだけ開けて中の様子を伺う。
俺の予感は的中し、黒子がシュートを打っている。あと・・・
「げっ!?木吉ぃ!?」
不在の鉄心がそこにいた。
俺は驚き、気づかれずに帰ろうとしたが同様のあまりにカバンの中身をぶちまけてしまった。
「ん?誰かいるのか?って結城じゃん。久しぶりだなー!」
「・・・よぉ。木吉」
「先輩?」
物音に気付いた2人と間抜けな格好で物を拾う俺とがこんにちは。
木吉の目はキラキラと輝き、俺を抱きしめる。
「会いたかったぞ〜!なんでお見舞い来てくれないんだよ」
「そんな所が嫌いだから会いたくなかったんだ!バカ野郎!」
正面から抱きしめられる。
木吉の体より小さな俺の体はすっぽり納まってしまう。
黒子はポカンと俺らを見ていた。
「ん〜。久しぶりの結城の匂いはいいなぁ。落ち着くよ」
「知らん!知らん!離れろ!つかなんか硬いもん当たってるんですけどぉぉぉ〜!」
「すまんすまん。久しぶりに結城に会ったから勃った」
「ぎゃあああそんな事聞きたくなかったぁぁぁ」
俺が木吉に会いたくない理由。
それはこの過剰すぎるスキンシップだ。
創部当時はバスケ部に入ってなかった俺を過剰なスキンシップ、もといセクハラにより無理やりいれたのがこのヘラヘラ笑っている木偶の棒の木吉。
今でも忘れない。
入ってくれなかったらずっと俺の膝に座ってろよとか
入らないと俺、結城の大事なフィギュアへし折ろうかなぁとか
今すぐに入部届け出さないとこの場で犯そうか?
とか平気でいいやがった。
しかも笑顔で。
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