あ、これはまごう事なき変態だ。

むしろ今まで変態に襲われ続けた俺の変態レーダーがメーター振り切ってんだけど。


「結城くんにいい事教えたるわ。俺のオトンとオカン生粋のドSやねん」

「で、でな、なんですか?」

「つまりな。その間で生まれた俺は先天性のドSというわけで・・・今結城くんを啼かせたい気分」

「いやああああああお家帰るぅぅぅぅ!!!」


立ち上がろうとしたら今吉さんがそれを許さない。

寝坊したせいかっ。それとも俺がニャンマスで真琴ちゃんから遥ちゃんに浮気したのがいけないのかっ!

カントク、今だったら額に地面つけて土下座するから助けてください。


「家?ほなら結城くんの家にお呼ばれしようかなぁ〜。家族の居る時にヤるとか燃えるやん?」

「燃えない!全然燃えない!むしろお前が星へ帰れ!!」


回されている腕をどうにかこうにか離そうとしても離れず。

約束の時間が迫ってるのにどうしてこうなった。


「歩先輩ここにいた、ですか」

「かっ火神。助かった。俺を助けろ」


ん?と俺の肩に回されている腕を火神は見つけてすぐにその腕をどける。

たっ助かった。

ベンチから立ち上がり、体のデカい火神の背中に隠れて今吉さんの様子を伺う。


「あーあ。嫌われてもーたな。でも俺は結城くんの事気に入ったしこれからもよろしゅう。後そこの後輩くん今日はお手柔らかにな」


今吉さんはベンチから立ち上がり後ろ向きでヒラヒラと手を振り、歩いていく。

それをボーっと2人で見る。


「そういえば火神どうした?」

「あっカントクがカンカンに怒ってて迎えに行けって言われたから来たんだ、です」

「うわっやっべ。忘れてた・・・行くぞ、火神」

「っス」


結局試合ギリギリに着いた俺はカントクに試合時間中正座を命じられて40分間ずっと正座させられていた。

試合は桐皇に負け、そしてその負けた事から何かが崩れたように連敗し去年と同じく決勝リーグ敗退した。




(青峰ー。あの子おもろいな)

(ん?結城サンの事っすか?)

(そーそ。啼かせがいありそうやわ)





相手校の主将はドSのサラブレッド!




 




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -