独占欲×独占欲=協力/火神・青峰
「なあ、火神」
今日は誠凛と桐皇との合同練習。
練習なんていつも来ない青峰が来ているだけでも珍しい。
明日は雪でも降るんじゃないか、桐皇の部員は少しビクビクして青峰を見る。
もちろん、青峰が何も理由がなくて練習にはでない。
青峰には目的があった。
「なあ、火神」
「んだよ。喋ってる暇あるなら1on1しようぜ」
「まあまあ後でしてやるからさ。ちょっと話があるんだ」
「話?」
青峰は口角をあげて笑う。
「今度水無月の家にいかねーか。そんで食っちまおうぜ」
火神 Side
燐とはアメリカにいた時からの親友。
師匠とタツヤとずっと一緒にバスケをやってきた。
アメリカに来たばっかの俺は英語が全く喋れなくて、その時に通訳をしてくれた燐。
年が上がるつれに体はでかくなっていくのに反比例して自分の気持ちが上手く相手に伝わ
らない時も燐が居てくれた。
日本に帰ってきてからというもの俺は燐に依存していた事を実感し、つまらない日常を送っていた。
バスケのレベルも低いし、誰と話しててもツマラナイ。
3年の梅雨がまだ開けないあるの日。電話が来た。
『やあタイガ』
「燐じゃねーか。どうしたんだよ」
『うん。俺今日で中学卒業したんだ』
「・・・あ、そっか。もうそんな時期なのか。おめでと」
『でさ、俺来年そっちの高校通う事になった。だからまたタイガと一緒に入れるよ』
「本当か!?」
『もちろん。だからまたバスケしよーぜ』
その言葉通り桜咲く季節に燐は帰ってきた。
ただ気に食わない事があれば入る高校が違った。
俺は誠凛で燐は桐皇。距離もほどほどあるので毎日会いに行けない。
それがムカつく。
ストバス場行けばアオミネとか言うキセキの世代のヤツの話だとか謝り癖のある乙男の話だとかそんなんばっか。
アオミネなんて俺がぶっ倒してやる。
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