ゲーム。と言った瞬間紫原は俺の背後に立ち俺を束縛する。

その隙に黒子は俺の衣服を剥ぎ取った。シャツ1枚を残して。


「何しやがるんだ!服返せよ!」

「ゲーム終了後に返しますよ」


黒子は俺の服を自分のカバンに入れる。


「ルールは簡単だ。今から30分間燐さんは逃げればいい。燐さんが逃げ切ったら僕たちは諦めよう。服も返すしもう二度と現れないと約束する。でも俺たち1人でも捕まえることができたら・・・」


その時は燐さんは僕たちのものだ。

赤司の声が本気だと言っている気がして俺はすぐさま走り出す。

下半身丸出しの姿で走るのは恥ずかしいが今はそんな事を言ってる場合じゃない。

逃げて、逃げて、逃げる。

地の利はこっちにあるが相手は6人。極めつけにキセキの世代。

明らかに体力面はあっちに有利だ。

でも逃げるしかない。それしかない。俺に残った道しるべ。


「はぁ・・・はぁ・・・」


途中疲れた俺は空き教室に入る。

そこはあまり人目につかず忘れ去られる教室でサボるのに都合のいい場所。

足まですっぽり隠れることができる教壇の下で縮こまって座る。

今どれだけ時間が経ったのだろうか。

あと何分で終わる?20分かはたまた5分か。

できるだけ息を殺しながら時が経つのをじっと待っていた。


ガラガラ


ドアが開く。まさかっもうここまでっ


「いないねー赤ちん」

「そうだな。敦他探すぞ」


紫原と赤司はドアをまた閉めて歩き出す。

助かった。が、これが罠だとするならば今出て行くのはマズい。

もうあと2分待とう。あと2分。


「そんな事しなくて大丈夫ですよ」

「っ!?黒子っ!?」


黒子が目の前に現れる。しまっ・・・


「やっぱり思った通りだった」

「水無月っち先輩の考えてる事なんてお見通しっスよ」


次々と教室に入ってくるキセキ。

嫌だっ嫌だ。来るなっ!!

逃げ出そうとするがそれを黒子が許さない。

気がついたら教壇の前に全員が立っていた。


「残り2分。ゲームオーバーだね」


俺の世界が崩壊した瞬間だった。









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