それから1日1日、キセキの世代から1人ずつ告白をされた。
燃える火曜には赤司から
水の滴る水曜には青峰から
生い茂る木曜には緑間から
光る金曜には紫原から
落ち着く土曜には黒子から。
皆1週間後に返事を待つ、と一方的に告白して帰っていく。
俺は恐怖を覚えた。
そして日曜日。
明日には黄瀬に返事をしなければいけない日。
「燐ー!トラックに乗りなさい。行くわよ」
「うん・・・」
俺はこの地を離れた。
元々引越しの話があった。
が部活をしたいと駄々をこねていたが黄瀬の告白があった日、引越しの話を飲んだ。
むしろ早く逃げ出したいとそう思うようになっていった。
先生には誰にも言わないようにと念を押して、赤司が調べないように証拠も全部隠滅して帝光を離れる。
転校した学校はいい学校だった。
3年と中途半端な時期に転校してきた俺を温かく迎え入れてくれ、部活漬けだった俺の頭に勉強を教えてくれた。
部活には入らず、俺はこの1年勉強に費やそうと考えている。
少しでも高校は遠くへと行こう。そう目標を持って。
その日も俺は完全下校時間まで教室で勉強していた。
もうそろそろしたら帰ろう。そう思った時に教室が暗くなる。
「わっ!?」
思わず声がでた。
最初は驚いたものの暗闇に目が慣れてきてドア付近に人がいるのが見える。
5,6人ぐらいか。
部活のヤツが忘れ物を取りに来たのだろうか。
そんな安易な考えが浮かんだ。
「野尻か?日下部か?お前ら何してんだよ」
「すまないね。僕たちはノジリとかクサカベとかそんな名前じゃないんだ」
闇の向こうから聞こえるはずのない声。
2ヶ月前の火曜日に聞いたっきりの王者の声。
まさか。まさか。そんなはずはっ!
パっと光が灯る。
目に光がなれず眩しい中、ドアの方を見るとカラフルな頭の男たち。
2ヶ月前まで身を包んでいた白いブレザー。水色のシャツ。
「あ、あ、あ・・・」
「燐さん。僕たちというものがいながら浮気ですか?」
キセキの世代が立っていた。
ごっそりと表情が抜け、俺だけを見つめる。
「1週間どころじゃない2ヶ月も待ったのだよ。返事を聞こうか」
「なァ俺と付き合おうぜ、先輩?」
「いっ嫌だ!お前ら誰1人と付き合わない!帰れよっ!」
俺は叫び椅子から立ち上がる。
赤司はそんな俺を見てニヤリと笑った。
「・・・燐さん。ゲームをしよう」
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