紫原夢【悪食娘コンチータ/mothy】
※カニバリズム表現がありますのでご注意ください。
むしゃむしゃバリバリ
今日も肉と骨を食い荒らす音がする。
今日は誰が食べられた?
昨日は黄色い髪がタルトに散りばめられていた。
一昨日は細い綺麗な指がチョコレートでコーティングされていた。
「もっとぉ・・・もっとお菓子ちょーだい?」
紫原は口元を真っ赤に染め俺を睨む。
「も、もうちょっと待ってよ。今シェフに作らせてるからさ」
とっさにでた嘘。
シェフなんていない。
だって今日の朝紫原に食べられたから。
しかし食べることに集中しているせいで簡単な嘘でも引っかかってくれた。
腕の肉が引きちぎられる。
ボリボリと骨を砕く。
「ねぇ〜。まだぁ〜」
「も、もうちょっとらしいんだ。な?今焼いてるんだよ」
「嘘だね」
紫原の食べる手が止まりこちらへ体を向ける。
「だって黄ちん食べちゃったじゃん。今日朝誰だったか分かんないけどもう1人も。料理してたのはアンタ。じゃあ今誰がしてるのぉ?」
血まみれの手が俺の腕を掴む。
「ひっ!」
「お腹減ったんだよ、物凄く。でも誰ぇも作ってくれないじゃん。じゃあ・・・」
アンタを食べるしかないよね?
そう紫原は笑い俺の首筋を噛む。
「あああああああああああ」
「んふ。美味しいねぇ。むせ返るぐらい甘酸っぱくて美味しいよ。今までで一番美味しい」
さっきよりも力強く傷口をえぐるように噛み付く。
ジュルジュルと血を啜られる感覚がダイレクトに脳に叩き込む。
「すっごく美味しいから余すことなくゆっくり食べてあげるね?」
ニヤリと怪しげに笑う紫原を最後に俺は気を失った。
(喰らいつくせ!)
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