黄瀬夢【嗚呼、素晴らしきニャン生/Nem】
「あ!君君!なんでこんなところにいるんスか?」
1匹の野良猫が問いかける。
「だって俺飼い猫だもん」
飼い猫は2階の部屋の中から退屈そうに外を見ていた。
「今日は月が一段と綺麗だし外へ出て俺とバスケしよう?」
「やだ」
野良猫の誘いに飼い猫は即答する。
「えー!だってこんな綺麗な夜なのに!ニャン生損してるっスよ!」
「別に損してないし。美味しいご飯もふかふかベッドだって貰えるんだ。満足だよ」
飼い猫の首には綺麗な赤いブランド製の首輪がつけられていた。
野良猫にとってはそれが戒めにしか見えない。
それを見た野良猫は木々へ屋根へと飛び移り飼い猫のいるベランダまで行く。
「そんな首輪で縛られてるだけなら・・・」
噛みちぎってやるっスよ。
そう言って野良猫は飼い猫の首元に噛み付いた。
(一緒にニャン生歩みませんか?)
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