「全く。こっちが選択の猶予を与えているというのに我が儘だね、真白」


俺の足が赤司の脛に当たった。

その瞬間部室の温度が2、3度下がる。


「別に俺は頼んだ覚えはない。さっさと紫原どかせ」

「しょうがないなぁ。これは止めるつもりだったけど僕の太いポッキーをあげ・・・」

「ビターでお願いします」


赤司が自分のベルトを開けようとして即答。

コイツ今日頭おかしいんじゃないのか?

ビター、緑間を選んだ瞬間赤司は悔しそうな顔をして緑間を呼ぶ。

他の奴らもどことなくつまらなそうにしていた。

緑間は意気揚々とポッキーの袋を開けて一本指で掴む。

もう俺が観念した事を見切ったのか赤司は紫原に俺を開放するように命じた。

数時間ぶりとまで錯覚した久々の地面に足を下ろしてもらうと緑間が空いている片手で俺の腕を強く引っ張り自分の胸元へ寄せる。


「久遠、お前はいい選択をしたのだよ」

「煩い」


緑間はポッキーのビスケット部分を咥え顔を近づける。

俺は一度顔をそらすが青峰が顔を固定してしまったため恐る恐る咥える。

全員が見ている中ポリポリとポッキーを齧る音だけが響く。

あと1cmというところで緑間が俺の顔を掴み唇を合わせる。

ビターなチョコと香ばしいビスケットが口の中で混ざり合う。

チュっとリップ音を鳴らし名残惜しそうに離す。


「次は俺っスよ!」


まだ息も整わぬうちに黄瀬は緑間をどかしイチゴ味のポッキーを咥える。

俺が食べていかなくても黄瀬が一方的に食べ進めまた唇が重なる。

ぬめっとした舌と舌が混ざり合い時々イチゴの粒粒さえも口内を犯す。


「んふっ・・・・ふぁっ」


唇を離すとつうっと唾液の糸が引き合う。

それを黄瀬は舌で舐めとった。

2人のキスのせいで体が妙に疼いてくる。

体の芯が熱い。


「黄瀬くん、ハウスです」

「わかったっス・・・」


黒子に腕を掴まれ黄瀬は俺を離す。










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