「っ・・・・はぁ」


体育館の片隅で体を縮こまる。

体全体が熱篭ってて力が入らない。

きゅっと制服の袖を握る。が、その時に服が擦れて体全体に電気が走る。

風邪でもひいてしまったのだろうか。

こんな短時間に?

でも体はおかしい。なぜこうなったのか。それは30分前のことだった。



教室を出て足早と体育館へと向かう。

最初は罵声を浴びせられたり、好奇な目で見られていた俺だったが近頃頻繁にバスケ部に顔を出していたせいかもう部員から何かされることはなくなった。

ただこれは1軍の部員のみであって昇級テストで1軍に勝ち上ってきた部員は部外者の俺を見て驚いた表情をする。

この光景も見慣れてきた。

俺は何も気にせず壁を伝うように歩き1つ目の目的へと足を踏み出す。


「よぉ、真白。早いじゃねーって何すんだよ!」

「バカ野郎。中学生にウイスキーボンボンなんか渡すんじゃねえよ。バカ野郎」


青峰の脛を力いっぱい蹴り上げる。

本当は頭を殴りたかったが身長差がそれを邪魔する。

しかしそこは流石人体の急所。

青峰は痛みに蹲り、頭が殴りやすい位置に来たので一発かましておく。


「二発も食らわしやがって・・・後で覚えとけよ」

「知らん。元々お前が悪いんだろうが」

「というかチョコ食ったんだな」

「ああ。お前のせいでな。食わなくていいものを食っちまった」


青峰は涙目になって俺を睨みつけてくるが怖くもなんともなく。

そんな話をしていると紫原が俺らを見つけたのが走ってくる。

巨体が走ってくるとか恐怖でしかない。そう俺は再確認した。

そして俺に抱きつく。苦しい。暑い。そして汗臭い。

胸を両手で押して離れようとするが紫原はそれを許そうとせず余計に抱きしめる力を込める。


「白ちん昼ぶりぃ〜。もうちょっとで部活終わるから待っててね?」

「わかったよ。待ってる」









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