時間は打って変わって放課後。
クラスの半分以上は部活中心な生活を送っているためすぐに荷物をまとめて部活へと向かっていく。
そして残りは委員会とかの用事で残っていたり適当な同好会に入り帰宅する生徒たちがチラホラと。
俺は黄瀬たちに部活終わってるまで待ってろと言い渡されていた。
幸い今日は検査の日でもなく捜査命令の電話もない。
だから二言で了承した。
部活終了後に部室で待ってろとのこと。
部活頑張ってくるっス〜!と大声で叫んで手を振る黄瀬を横目に、読みかけの本を手に取る。
部活が終了するまで3時間ぐらいか。
教室は1人、また1人と帰っていき最終的には俺1人になった。
10月も終わりで日が隠れるのも早く5時を過ぎるとあたりは真っ暗で本も読めない。
仕方がない。時間は早いが体育館に向かうか。
そう思い、カバンを掴み空いた片方の手はブレザーのポケットにつっこむ。
クシャ
「ん?」
ポケットの中に何か引っかかるものがある。
中から出してみると1つのチョコレート。
青峰から昼休みに飴の礼にともらったチョコレートだった。
すぐに食べようと思ったが止められ、食べるなら放課後にしろと念を押されていたチョコ。
時間を指定されて怪しいとは思うがチョコには罪はない。
俺は包み紙を開けてチョコを口の中に入れる。
チョコを噛むとじゅわっとチョコから溢れ出る液体。
驚いて思わずその液体を飲み込んでしまう。
喉を通ると喉が燃えるように熱い。
アイツウイスキーボンボンでも渡しやがったか。
だとすると時間指定されるのは納得がいく。
授業前に微かではあるが飲酒してるだなんて先生にバレたら説教どころじゃ済まないだろう。
チョコを咀嚼しカバンの中に入っていたお茶のペットボトルを開け一口お茶を飲む。
喉の焼けたような熱さは少しだけ治まる。
とりあえず青峰は会ったら一発殴ろう。
そう心の中で決めて教室を後にした。
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