青峰は俺らを視線で殺せるぐらい睨んでいた。
ガリガリと飴を噛む音が余計に恐ろしさに拍車をかけている。
「どうした、青峰」
「うるせぇ。お前こそなに黄瀬にやってんだよ」
「あ?黄瀬がうるせーから口封じてやった。それだけだ」
ったくお子様じゃないんだから、と文句を言いながらもう1つ飴を取り出し口に入れようとした。
その時だった。
飴を持った腕を引かれ、青峰の口元へ手を持っていかれる。
飴と俺の親指と人差し指は青峰の口に入れられた。
ザラリと熱い青峰の下が俺の指に触る。
「!?」
ビックリして思わず立ち上がりすぐに口から指を引いた。
少しだけ指に青峰の唾液がついていて光る。
教室は黄瀬の騒動でざわざわ煩かったのがシーンと静まり返った。
「な、な、何しやがる!」
「トリックオアトリートだっけか?」
「お菓子はやっただろう。なぜついでにイタズラまでするんだ?」
「なんとなく?俺欲張りだからさぁ・・・」
お菓子もイタズラされて嫌がるお前も見たいわけよ。
そう青峰はしてやったりと言うような顔で笑い前を向いた。
「久遠?何立ってるんだ?」
「っなんでもありません」
教室に入ってきた先生はつい今の出来事を知らずただ頭に?マークを浮かべて教壇へと立った。
(お前確信犯だろ・・・)
(青峰っちこそ真白っちの指まで舐めて)
(コイツら今日おかしいっ!)
昼食前の休み時間。空腹と煩悩の戦い
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