「つー事があってよ。どうやれば啼かせれると思う?」

「火神くん。ここどこだか分かってますか?」

「学校」

「TPOを考えてください。この駄虎」


学校の昼飯の時間。

俺はいつもどおり黒子と向かいあって飯を食う。

相変わらず黒子の食う量は少ねぇなぁとか思いながらも俺は両手にパンを持ちながらムシャムシャ食う。

食っていたら昨日の事をふと思い出して黒子に相談した。

が、さらっと返ってきた。


「だってよー。昨日だって枕に顔埋めて聞こえなかったんだぜ?」

「僕は火神くんたちの性生活を聞きたくはないです。正常位ではシないんですか?」

「アイツが恥ずかしいからダメだってよ。むしろ向き合うのも嫌らしいし。だからいっつもバックなんだ」


正常位は最初の1回きり。

後はずっとバック。俺的にはガツガツ突っ込めるからそれはそれでいいんだけど、回数を重ねる事に虚しさもちょっとずつ増える。

だって声は聞きたい。

気持ちいいのは射精してるから目に見えて分かるけど、気持ち的な問題で。

黒子はそうですか、と興味半分なさそうに野菜ジュースを飲んでいた。

コイツ本当にムカつく。


「じゃあむしろバックに持ち込めないようにすればいいんじゃないんですか?愛撫すると見せかけて騎乗位に持っていくとか」


水無月くんと火神くんの体格と力差を見てもこれぐらいどうってことないでしょう?と黒子は言う。

騎乗位か。そういやーやってねーななんて考えながら新しいパンに齧り付く。


「幸い明日の練習は午後から。がっついても心配はありませんし」

「・・・お前ってたまに怖い事言うよな」

「そうですか?あ、水無月くんがこっちに手振ってますよ」

「何処だ!?」


黒子の指を指す方向には嬉しそうに大きく手を振る燐の姿。

自分は平凡で可愛さの欠片もないって言うけど俺にとっては可愛い可愛い恋人。









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