買い物籠は1週間分の食材で一杯。

レジへ進み、お金を払う。

この籠一杯のものを袋に入れるのは慣れていない2人にとって悪戦苦闘物だった。


「こういうのはまず、品物の種類にわけて行って、大きなものから入れていくんだよ」


横で見本を見せる水無月。

ふわりと香るシャンプーのいい香り。

思わずうっとりしてしまっていて、手元をあまり見ていなかった。

どうしたの?と心配され、大丈夫!と首がもげるほど左右に振った。

袋はパンパンに詰め込まれ6つ出来上がっていた。

さてこれを運ぼうかと水無月は思って片手に3つずつ持とうとすると後ろからひょいひょいと荷物が消える。


「ここまで来たんだし車まで運びますよ」

「当たり前の事なのだよ」

「お言葉に甘えてお願いしようかな?ありがとう。そう言えば2人は自転車?」

「今日は歩きっす。いい天気だから散歩でもしながらって思ってたから」

「そっか。じゃあ乗ってく?」

「えっ!?いいんですか!?」


ここまでしてもらったんだからそれぐらいさせて、と水無月は笑い車へと向かった。

2人は緊張して水無月の車に乗る。

柑橘系の匂いのする車内。

モノクロでまとめられた大人な内装。

流れるクラシックのBGM。

これが大人というものなのかと2人は関心した。


「あ、そうだ。これこれ」

「?」


小さな袋に入っている物。それはおしることはちみつレモン。

まだ温かい。


「飲み物がお礼だなんてちゃっちいけど俺から2人へのご褒美だよ」

「えっいいんですか?俺ら無理やり手伝っちゃったって感じだったのに」

「遠慮しないでよ。すっごい助かったんだから」

「・・・ありがたく頂くのだよ」


そのまま安全運転で見慣れた寮へと着く。

2人を秀徳寮へ降ろし、それじゃあと車に乗り込もうとすると高尾から静止の声がかかり、腕を引っ張られる。

すると両頬に軽く柔らかいナニかが当たる。


「水無月さん!ありがとうございました!」

「おしるこ、美味しかったのだよ」


笑顔で寮へ戻る高尾と緑間。

水無月は感触が残る頬を手で押さえ、顔を真っ赤にした。





(お帰りーって水無月さんどうしたんだ!?)

(顔真っ赤ですよ、熱でもあるんですか?)

(何でも・・・ないよ?)

((これは緊急会議が必要ね))



顔が、熱い






あとがき

ねりね様リクの寮父さん主で、夕飯の買出しに誠凛寮の荷物持ちが都合がつかなくて誰も来れず、出先のスーパーでチャリアカー組と会ってお手伝いしてもらうでした。

高尾はともかく緑間はスーパーにいる姿が正直想像できません。

袋の詰め方が分からないと可愛いなぁと思ってみました。

後主婦の方々に嫉妬してみたり。

実は寮父さんにキスしてる所を宮地や大坪に見られててこってり絞られたなんて裏話も作ってました。

ただ、載せなくてもいいかなって思ってここに書き記しておきます。

苦情はねりね様のみ受け付けます。

ありがとうございました!









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