「ん。やっぱ王道のショートケーキは美味しいよね」
でも歩ちんの方がもっと美味しいや。
吐き捨てるようなその言葉は俺の顔を一瞬にして真っ赤にさせる。
「アツシ、やるね」
「室ちんだってアーンしたんだからいいじゃん。俺に譲ってよ」
「嫌だよ。俺が狙った物逃がさないのは知ってるじゃないか」
「知ってる。そのためには手段選ばない事も。だけど歩ちんはあげられないから」
顔を下向けて黙々とケーキを食べていた俺にそんな会話は耳にも入ってこなかった。
それから数十分後店の人に退室を求められた俺たちは呆気なく店を後にする。
食べた気がしないなぁと思いながら、駅の方へ向かって歩こうとすると紫原が止めた。
「ねえ、家に美味しい物あるんだけど食べに行かない?」
「はぁ?さっき食ったじゃねーかよ」
「ケーキより美味しい物なの!」
めんどくさいなぁと思って氷室の方を見ると何か感づいたのか氷室は笑みを深め俺の肩を掴む。
「よし、アツシの家に行こうか」
「は?何言ってんの2人も。腹一杯だっつーのにうわああああ!」
「室ちんがさっき言ってたヤツやる?」
「いいのかい?」
「うん。家にあったと思うんだよ」
「それは楽しみだ」
何か危ない予感がプンプンする中、俺は紫原に腕を引っ張られながら氷室と一緒に紫原の実家へと向かった。
(んで美味しい物って何よ?)
(もうあるよ?)
(何処だよ・・・)
(ふふふ)
甘い物より美味しい物は君の体
あとがき
ひなた様へ捧げます氷室と紫原による歩の取り合いです。
紫原と言えば甘い物、学生で行ける所はス●パラかな?みたいな考えでここでデートしてもらいました。
秘密裏に誘ったはずなのに氷室がいたのは謎。流石イケメソ氷室。
子供っぽい紫原と大人な氷室の取り合いの行く末はベッドの上で・・・。
素敵なイラストありがとうございました!
歩かわいいよ、歩。
苦情はひなた様のみ受け付けます。
ありがとうございました!
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