ここはス●パラ。
赤とハートが散らばっている店の外装に甘い物の匂いが店の中を立ち込める。
横を向いても前を向いても甘いもの、甘いもの。
時々ちらつくピラフやうどんなんかには目もくれない。
紫原にとっては天国な場所だった。
そこに今日は歩が目の前にいてさらにウキウキ気分。
「はい、歩アーン」
「氷室俺1人で食えるし」
「・・・なんでいるのさ室ちん」
そう。ここにチームメイトであり兄のような存在の氷室さえいなければ。
歩 Side
「ねーいーでしょ?行こうよー」
「嫌だ!誰がお前と行くかっ!」
紫原がいきなり誘ってきた。
珍しい事だから指定された場所に行くとそこは女の子の集まり。
女の子が沢山いるのはすっごく嬉しい。
見てるだけで幸せな気持ちになるからね。うへへ。
ただし、その中に入るのは小っ恥ずかしい。
その理由で喫茶店とかケーキ屋さんもあんまり入れなかったりする。
カントクとたまに行く時が至福のひと時なんだよ。
だからだ!
「トトロ超えのお前となんか行きたくない!」
「いーじゃーん!行こうよー!奢るから〜!!」
あーもうこの逆コ●ソが!
俺が行かねーって言ってんだから諦めればいいのに。
すると紫原は俺の腕を引っ張る手を引っ込めた。
ようやく諦めてくれたかな?と紫原の方をチラッと見る。
「別に行かないなら連れて行くだけだもんね」
「えっあっちょいやあああああ!!」
「あ、抱き上げると歩ちんの股間の匂いダイレクトに嗅げる。嬉しいな〜」
「ぎゃあああああ!!」
紫原は俺を俵抱きにしてス●パラへ繋がるエレベーターに乗った。
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