「なー結城ー。なんで早足で進んでんだー?」

「お前こそなんでついてくるんだよ、木吉」

「だってどうせ部室行くんだろ?俺も一緒に・・・」

「1人で行け!つかさりげに横腹に手を回すな!」


授業が終わりお待ちかねの部活。

カントクは職員室へ、日向は何やら伊月に用があるからと先に出て行ってしまった。

日向と一緒についていけばよかったと心から思った数分後。

木吉に捕まった。

木吉という男は歩にとって嫌いで、でも好きと微妙な位置関係にある。

強引に部活に入部させた事に対しては今でも怒っているが、そのおかげで色んな人と出会えた事に関しては感謝しているのだ。

そう、色んな人に。


「嫌だ!さっさと俺は部活に・・・って」


部室に行けば誰かいる。

それは歩の中の願いだった。誰かいれば木吉の相手をしてくれるだろうと。

しかしその願いは今崩れ落ちる。


「誰もいないのか!珍しいなぁ」

「ひっ!?」


木吉は片手で歩の尻を触り、片手で目の上に手を置き部室を見渡す。

逃げる事なら逃げたいが木吉ががっしり尻を掴んでいて逃げる事ができない。

部室の前で立ち止まるのは目立ってしょうがないが、部室に入れば最後ヤられる。

まさに絶体絶命。

歩の頭にその4文字が並び始めた頃。

聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「あれ、2人も何してんだ?」

「ツッチーぃぃぃ!愛してるっ!」

「えっ結城どういう事だって、ひぃえっ!?」


歩は木吉の手を叩き女神とも言うべき存在、土田の元へ走る。

木吉は叩かれた手と土田を交互に見ながら今にも殺しそうな笑顔をしていたという。







(・・・何してんだ、ツッチーに木吉)

(あっ日向!助かった!)

((なるほど大体は読めた))



黒・火「どんな時でも先輩は可愛いです」





あとがき

或慈様リクのモテたい!主と誠凛二年生のほのぼのな絡みでした。

あ、カントクと絡んでない。しまった。

歩にとって2年生組(木吉を除く)は癒しであればいいと思います。

2年生組は2年生組で温かく見守っているといい。

こんな感じですがどうでしょうか?

苦情は或慈様様のみ受け付けます。

リクエストありがとうございました。サイト運営頑張ってくださいまし。









「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -